日本と海外のライブハウスはどう違う? セキュリティ、ドリンク、未成年対応などの最新事情

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海外のライブハウスでは、日本と異なる工夫が見られる。(写真/josemanuelerre)

 音楽愛好家には、ライブハウスに足繁く通う人が少なくないだろう。生の演奏の迫力をダイレクトに感じられるライブハウスは、バンド好き、音楽好きな人にとっては無くてはならない場所だ。

 日本のライブハウスでは基本的にチケットを購入し、入場時に別途1ドリンクの料金を払うのが通常のシステム。ライブの行われる時間帯は夜がほとんどで、沢山バンドが出るイベントなどの場合には昼間から始まることもあるが、終演には夜10時以降を過ぎるケースも当たり前となっている。

 設備の面に目を向けると、ドリンク料金を安く設定したりBARコーナーがあったり、ソファーで休めるスペースがあったりと、なるべく居心地の良いように工夫を凝らしている所も多い。

 日本ではそれが当たり前のことでも、海外となると事情は様変わりする。そこには不便に思えることもあれば、日本のライブハウスにとって参考となるケースもあるだろう。そこで海外、特にアメリカ、オーストラリアのライブハウスがどのように運営されているかを紹介したい。

海外ライブハウスでのドリンク事情

 基本的にアメリカやオーストラリアではライブハウスという形式よりも、ライブの出来るBARやCAFÉ、PUBと言ったような場所がほとんどだ。大きな会場ともなると、ドリンク・BARコーナーがいたる所にあり、ライブにアルコールは欠かせないモノとなっているが、入場時に必ず1ドリンクオーダーと言ったシステムは無い。

 メインがBARで裏にライブの出来るスペースがあり、ライブをやっている最中でもBARには一般の客がいて通常営業をしていたりすることも多い。入場時のIDチェックが厳しいので、通常未成年者は店に入れないようになっている。

未成年者のライブ事情

 では、IDチェックに厳しい箱が多い中、未成年は一体どうやってライブを体験するのか?

 未成年者のためにはALL AGE SHOW(オールエイジショー)と言う年齢制限の無いライブが開催される。ALL AGE SHOWでは、基本的に会場内でアルコールは禁止。場所もBAR等ではなく教会や倉庫、大学の構内など色々な場所で行われる。

 アメリカは日没時間が遅く、大体夜8時〜9時頃に日本で言う夕暮れ時になる。そのためIDチェックの厳しい大人のライブは9時頃から始まることが多い。反対に年齢制限の無いALL AGE SHOWでは、9時までには終わりになるようにライブが行われる。

 こうしてあらゆる年齢層が楽しめるようになっているのが、海外では当たり前。子供が来るのが嫌であればALL AGE SHOWには行かなければ良いだけで、子供に見せたいのであればALL AGE SHOWに行けば良い。法律や安全面などにもきちんと対応しているので、日本のライブハウスでもこういったやり方は取り入れても良いのではないだろうか?

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