夢みるアドレセンスが5年目にして手に入れた、“カワイイだけ”じゃない強さ

夢アドが手に入れた“カワイイだけ”じゃない強さ

 アラビアンなシタールのフレーズが流れると、「5年目行くよーー!!」リーダー・荻野可鈴の第一声で、夢みるアドレセンスの5年目が幕を開けた。

 8月12日に結成4周年を迎えた夢みるアドレセンスが、翌13日、東京ドームシティ ラクーアガーデンステージにて『結成4周年記念フリーライブ』を開催した。人気ティーンファッション誌のモデルを中心として、2012年に結成された彼女たち。「カワイイだけじゃダメなんですか!?」元々はファン投票によって選ばれたこの挨拶も、今やこうしてファン以外が目にするであろう公の場でも、他アイドルがいる場であろうとも、堂々と言い切る姿には清々しさを感じる。「とにかく全員カワイイ」という宣伝文句を含めて、こんな強気な、いや、自信に満ちあふれた言葉が様になるグループなんて彼女たち以外にいないだろう。

 1曲目「おしえてシュレディンガー」に続いて、「ひまわりハート」で会場を沸かせる。小柄な身体を振り乱してダイナミックに歌い躍り煽る荻野可鈴、どこか飄々としながらも圧倒的な殿上人オーラをバンバン放ってくる山田朱莉、太い歌声と爪先から足先までしなやかな美しい動きで惹きつける志田友美、長い手足が繰り出すキレとシャープさで秀麗に舞う小林れい、最年少のほとばしるパワーと大人の表情が交錯する京佳。見た目も性格も異なる、言動もそれぞれが自由奔放な5人だが、同じステージでの動きをとってみても、これほどまでに各個性が現れるグループはそうそういない。そして何よりも、異様なほど絵になるそのシルエットが、夢みるアドレセンスの大きな武器でもある。

 「結成4周年フリーライブ、ようこそお越しくださいました!! 夢みるアドレセンスは昨日、結成4周年、4歳を迎えました!!」荻野が叫ぶ。「とはいっても、まだ4歳ですから、全然子どもですよ」と山田が続けるが、「アイドル年齢で言ったら、4歳はまあまあでしょう」との京佳の返しに「まあまあか……」と思わず苦笑いの空気が。それを遮るように志田が「じゃあさ、4周年を記念して、みんなでお祝いの歌を唄おう?」と提案。会場一体となったバースデーソング「Happy birthday to 夢アド」の合唱が夏の遊園地に響き、祝福ムードに包まれた。

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 ノリノリのディスコ・ロック「舞いジェネ!」、最新シングルのサマーチューン「Love for You」へと続く。夢みるアドレセンスは2015年のメジャーデビュー以降、さまざまなアーティストとのコラボを果たしてきた。OKAMOTO’S・オカモトショウ、ドレスコーズ・志磨遼平、KEYTALK・首藤義勝といった、意外性のあるロックミュージシャンの起用は、楽曲はもちろん、ビジュアルイメージやパフォーマンスをひっくるめた総合芸術としてのアイドル性の振り幅を広げ、夢みるアドレセンスのポテンシャルを引き出したといえる。当ライブでは披露されなかったが、「Love for You」のカップリング曲である「リーダーシップ」は彼女たちの持つ、クールビューティーな側面と、歳を重ねて増した女性の色香を漂わすミステリアス&セクシーさを存分に表顕した楽曲となった。リリースの度に多角的な楽曲と種々のビジュアルで攻めながらも、それでいて支離滅裂にならないのは、各々の気位の高さとグループとしての確固たる自負を持っているからだろう。

 「ここで、重ー、大ー、発ー、表ー!」荻野が高らかに声を上げる。この日、“重大発表”があると事前に告知されていた。「私たち、夢アドからみなさんへ、重大な発表が、いや、はっ“ぴよ”うがありまーす!」山田の“ぴよぴよ”あかりんワールド全開の紹介で、ステージ後方のビジョンに注目が集まる。『1stアルバムリリース決定!』の文字が映し出されると大歓声があがった。メジャーとして初、インディーズ時代の『第一思春期。』から数えれば約2年ぶりとなるアルバム。「これからレコーディングする新曲もがっつり入る」そうだが、タイトル、発売日など詳細については、今後「ワクワクしながらお待ち下さい(荻野)」とのことだ。

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