姫乃たま、DARTHREIDERにラップのイロハ教わる「気持ちいいリズムを見つけるのが最初の作業」

姫乃たまがダースレイダーに教わるRAP術

 「音楽のプロフェッショナルに聞く」第2回目は、大流行中のラップについて学んでいきます。

 ほんの少し前まで独特な手の形とともに「ヨーチェケラッチョ!」と真似され、時には五七五の俳句とも混同されていたラップがいま、フリースタイルバトルの復興によって、世間からのイメージに変化を起こしています。

 楽器を楽譜も持たず体ひとつで戦う姿は、小学生から社会人まで憧れの的ですが、一体ラップってどうやったらできるのでしょう。そもそもラップって何……? ヒップホップのこと?

 今回は、そんな基本的なことにも優しく答えてくれて、踏み込んだことでも上手に説明してくれる超論理的なラッパー、DARTHREIDERさんを先生にお迎えしました。最近ではReiWordup名義で、ファンクバンドTHE BASSONSのボーカルとしても活躍中の彼によるファンキーな講義、始まります。(姫乃たま)

Intro――世の中のことをリズムに乗せて言うのがラップです!

姫乃たま(以下、姫乃):ダースさーん、私達のラジオ番組(InterFMで放送されていた『FUNKY HOT GATE』)も終わっちゃいましたが、いま初めて私の連載に打ち切りの連絡が……。予定より長く続いたとはいえ落ち込みます……。

DARTHREIDER:落ち込むことないよ。僕なんかこの間J-WAVEの番組で、いとうせいこうさんと対談したんだけど、テレビより字幕が出ないラジオのほうがラップの内容を聞き取る練習になるっていう話になって、せいこうさんがフリースタイルバトルのラジオ番組をダースがやりなよって言ってくれてさ、ディレクターさんとかもいいねいいねって盛り上がって番組内で企画が通ったのね。それで実際に出演オファーが届いたから承諾したんだけど、後日、「上層部がDARTHREIDERは年取りすぎてるって言ってる」って理由で断わられたんだよ。

姫乃:えっ、せいこうさんが番組内で推してくれた音声も放送されてるのに!?

DARTHREIDER:そう。まあ、そういうこともあるから元気出しなよ。それでさ、今回のことをラップにしてネットにあげようと思ってて、まだラップは入ってないんだけどトラック作ったから聞く?

横取りJ-WAVE

姫乃:聞きます、聞きます! わー、せいこうさんとのラジオ音声が入ってる! 格好良いですね。というか、すっごいラッパーみたいなことしてる!(失礼)

DARTHREIDER:ファンクバンドやっててもラッパーはラッパーだからね! というわけで、世の中のことをリズムに乗せて言うのがラップです。今日の授業、終わり!

姫乃:わー、待って待って。

DARTHREIDER:わははは。時事ネタを音楽にして公開することに関しては、バンドだと手間も時間もかかっちゃうんだけど、ラップはインストのビートさえ用意すれば曲になるから、すごく手軽だし速報性があるんだよね。アメリカの若いラッパーなんかは、自分に起きた出来事をラップしてすぐネットにあげたりしてる。ラップは言葉が多いから、情報量も多くできるし、言葉もダイレクトに伝えることができる。フリースタイルっていうのは、その場の状況をラップするんだけど、これも歌でやろうとすると実は難しくて、そういうラップの特性が活かされてる文化なんだよね。

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