the GazettEが語る『DOGMA』ツアーの裏側、そして結成15周年への意気込み

the GazettE、『DOGMA』ツアーの裏側振り返る

 the GazettEが、11月9日に映像作品『the GazettE LIVE TOUR 15-16 DOGMATIC FINAL -漆黒- LIVE AT 02.28 国立代々木競技場第一体育館』をリリースする。同作は、チケット即日完売となった2016年2月28日に国立代々木第一体育館で開催された『the GazettE LIVE TOUR 15-16 DOGMATIC FINAL -漆黒-』がパッケージングされたもので、初回限定盤には1年間にわたり完全密着したドキュメンタリー映像など、舞台裏の様子も多く収められている。今回リアルサウンドではメンバー5人にインタビューを行ない、ツアーを終えての感想や、DIY的に制作したという演出の裏側、さらに先日発表した、2017年3月10日の結成十五周年記念公演『大日本異端芸者「暴動区 愚鈍の桜」』についても語ってもらった。(編集部)

「DIYのほうが誰も傷つかずにすむかなと」(RUKI)

ーー『DOGMA』というひとつのテーマを掲げてホールツアー2本、海外ツアー、ライブハウスツアーをするという行程は、バンドにとって初めてのことだったと思うのですが。

戒(Dr.):今までも今回より多い本数のツアーはあったけど、過去「4カ月の間に70本」みたいなツアーだったので、長期間でじっくりと廻るのは初めてですね。

RUKI(Vo.):かねてから、バンドがアルバム1枚を出して、その曲たちを1ツアーだけで果たして消化できるのかという疑問があったんです。たとえばツアーでその前にリリースしたアルバムの曲を入れる場合に、曲自体が前回のツアーより育ってると感じることがあって。そういうのも含めて、ツアーを長くやっているからこそ曲の完成度が上がっているのかもしれないです。

ーー消化不良は起こしにくいと。

RUKI:そういう消化不良的なものがあったからこそ、2014年に過去のアルバムをテーマにした「再定義」ツアーをやったりしたんですけど。今後そうならないためにも、たくさんライブをしたかったというのもありますね。

ーーツアーを終えて、やり切ったという感触はありますか?

戒:やりきった、ようやく終わった感はありますね。

葵( Gt.):「やりきった」と「やり遂げた」がいい感じに混ざってます。

REITA(Ba.):やり遂げると、最初は想像してなかった景色が見えて「これが楽しくてバンドやってるんだろうなあ」と改めて思いました。

葵:朝起きた時に「そろそろバンド良いかな?」って思ったりしたこともありましたけど(笑)。

ーーそれはどんな時に?

葵:ライブ以外のことも多く抱えていたので、予定が立て込んでいたり、制作物がたまっていたりとか。夜中まで作業をやって次の日も……みたいな。そんな中でのツアーだったので皆疲れもすごくたまっていただろうし。

RUKI:たしかに、やることは増えましたねえ。

戒:ツアー中もライブ終わったら「この後会議室で映像作ります」みたいな(笑)。

RUKI:しかも次の日ライブなのに(笑)。

ーーそんなにタイトなスケジュールだったんですね。それは、細部まで自分たちの手で直接やりたいという追求の結果なのでしょうか。

RUKI:いや、結果的に時間短縮にはなっていると思います。

戒:他の人に頼んでたら、そもそも完成してなかったよね。

RUKI:昔からなんだかんだ難癖つけるというか、修正の多いバンドなんですよ(苦笑)。作っていただいたものにも「もう少しこうしたい」と細かい部分までお願いしていて。そうなると倍くらい時間もかかるし、制作者さんにも悪いし。自分たちでやったほうが誰も傷つかずにすむかなと。

ーーちなみに一番こだわりが強いのは誰ですか。

戒:RUKIさんでしょうねえ。

葵:RUKIの頭のなかに答えがあるんですよ。

RUKI:自分が思ってても「5人が言ってます」って言っちゃいますよね、「僕だけじゃないんですよ」って(笑)。

ーーライブ以外の制作も自分たちで行いながらのツアーは相当大変だったのでは。

RUKI:ライブは逆に楽しかったですね。ライブしたくてしょうがなかったですよね。「ライブのときは楽しいのにな」って言葉は何回か聞きましたね。

REITA:ミーティングばっかりやってると精神衛生上良くないから(笑)。ライブが楽しみになったよね。

ーー11月9日にリリースされる映像作品は「the GazettE LIVE TOUR 15 DOGMATIC -UN- 」と「the GazettE LIVE TOUR 15-16 DOGMATIC -DUE- 」のツアーファイナルを収録したものです。このライブはオープニングからメンバーが別々の場所から登場したりと、代々木競技場第一体育館という大きな会場でしか出来ない仕掛けや演出がふんだんに取り入れられてますね。

戒:会場の特性を生かしてなにかできないかと考えた結果の演出ですね。ホールとも勝手が違うので演出を見直さないといけない部分もあったけれど、それをマイナスにとらえるのではなく、「新たにこういう風にしたらいいんじゃないか」とアイデアを出し合って、メンバーがそれぞれ違う場所から出てくるというオープニングになりました。結果としては満足のいく演出になりましたね。

戒:照明のスタッフもメンバーサイドの意見を具現化しようとしてくれて、なおかつ「こうした方がいい」という意見も対等にくれて。

ーーそのあとも7月から『the GazettE STANDING LIVE TOUR 16 DOGMATIC -ANOTHER FATE-』を開催していますが、一旦はこの代々木公演が『DOGMATIC』ツアーのファイナルだったわけですよね。それぞれ気負いのようなものはあったのでしょうか?

麗(Gt.):気負いだらけでしたよねえ、今思い返すと。決め事がすごく多くて。ファイナルだけしかやってない登場の仕方もそうだし、SEのつなぎとか色々考えたり。段取りも必要になりますし。気負いは常にありましたね。最後にやった「UNDYING」も代々木が初披露でしたし。

REITA:初めて演奏した「UNDYING」もそうだし、前日まで曲の時に出す映像も作っていたし、かなり気が抜けない状態でした。本当はラフに楽しみたいんだけど、失敗するわけにはいかないという変な感じ。それとはまた違うかたちのライブが、先日9月27日に行った幕張メッセ公演ですね。ここでは『DOGMA』の世界を出しきれたと思います。

ーーライブ中にスクリーンへ出す映像も自分たちで制作したということでしょうか?

REITA:最初は俺が映像制作ソフトの使い方を覚えたんですけど、代々木公演用の映像を制作するにあたって、一人一曲ずつ受け持たないと間に合わないという状況になって。結果として皆使えるようになってましたね。

ーーこの規模のライブで、自分たちで映像を作るバンドってそうそういないと思うのですが。

戒:さっきも時間短縮と言いましたが、こっちのほうが早いんですよ。メンバー同士だからすぐ確認できるし。「ここどうする?」みたいな。

RUKI:ひとりSE作ってる人間(麗)もいるから「こういう音入れたいんだよね」ともお願いできるし。もう何屋だよって感じですが(笑)。

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