関ジャニ∞はどう進化を遂げた? 『ズッコケ男道』『LIFE〜目の前の向こうへ〜』などから考察

 全国5都市・14公演を行なうツアー『関ジャニ’s エンターテインメント』の真っ最中である関ジャニ∞。デビューから約12年間、毎年コンサートやイベントを行なっている関ジャニ∞は毎回成長し、新しい姿を我々に見せてくれている。飽くなき探究心を抱える7人が、この12年間でどのような成長をみせてきたのだろうか。関ジャニ∞にとって、転機となったであろう作品と共に考えてみたい。

 彼らがデビューしたのは、2004年9月22日に発売された『浪花いろは節』。そこから、『大阪レイニーブルース』、『好きやねん、大阪。/桜援歌(Oh!ENKA)/無限大』、『∞SAKAおばちゃんROCK/大阪ロマネスク』、『関風ファイティング』とシングルをコンスタントに発表。タイトルを一見しただけで分かる通り、“関西出身”であることを全面に押し出して活動をしてきた。パフォーマンスにおいても、「エイトレンジャー」コーナーや関西ノリが活かされるゲームコーナーなどが多かったように思う。

 そんな関ジャニ∞にとって、一つ目の転機となったのは2007年に発売された6thシングル『ズッコケ男道』ではないだろうか。これまでのようにタイトルに関西に関する言葉が入っていないが、曲調や歌詞で“関西色”を見事に表現している。それ以降の『イッツ マイ ソウル』、『ワッハッハー』、『無責任ヒーロー』、『急☆上☆SHOW!!』でもアップテンポでノリの良い曲調が続き、“関ジャニ∞らしさ”を確立してきた。この辺りになるとコンサートでもファンと一緒に踊ったり、コール&レスポンスを行なったりすることが増え、これまで以上にファンとの繋がりを大切にしたいという気持ちが見えるようになっていった。

 そして、次の転機は2010年に発売された15thシングル『LIFE〜目の前の向こうへ〜』だろう。この曲は、関ジャニ∞にとって初めてのバンド曲でのシングルだ。これまでもバンド形式でパフォーマンスをすることはあったが、メンバーの丸山隆平・安田章大・大倉忠義のみがそれぞれベース、ギター、ドラムを演奏するパターンが多かった。しかし『LIFE~目の前の向こうへ~』を機に、全員が楽器を演奏するバンド形式でのパフォーマンスが定着。徐々に楽器の演奏レベルも上がっていき、コンサートの中でもバンドパフォーマンスは人気コーナーとなっていったのだ。

 中でも横山裕のトランペットパフォーマンスは、ファンの心をグッと掴んだのではないだろうか。当初横山は、トランペットではなくパーカッションを担当していた。とは言え、あまり練習をすることもなくバンドコーナーでは肩身の狭い思いをしていたという。たしかに横山は、コンサートでバンドパフォーマンスをしていた際どことなくきまりが悪そうな表情をしていたように思う。しかし、一念発起をしてメンバーとかぶらない楽器かつ難しい楽器に挑戦してみようと、トランペットの練習を始める。猛練習を経て、コンサートツアー『KANJANI∞ LIVE TOUR JUKE BOX』で初披露。無事披露を終え、メンバーも横山のトランペットデビューを大いに喜んでいた。このように、この頃はメンバーの結束力の強さがパフォーマンスやMCの要所要所に現れており、関ジャニ∞の絆を確固たるものにした時期だと考えられる。

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