『SMAP 25 YEARS』ミリオンセラー達成の意義 愛され続ける作品残して新たな挑戦へ

 12月21日にリリースされたSMAPのベストアルバム『SMAP 25 YEARS』が、発売3週目で累計売上が100.7万枚を突破した。SMAPのアルバムがミリオンセラーを達成したのは、2001年3月に発売された『Smap Vest』以来、約16年ぶりだという。SMAPがラストアルバムにしてこのような功績を残した意義について、芸能ライターの佐藤結衣氏に聞いた。

「やはり、SMAPに“ありがとう”という気持ちを持つ方々がたくさんいらっしゃったということだと思います。これまでCDを積極的に買ったり、コンサートに行ったりはしていなかったけれど、テレビでSMAPの活躍を応援してきたという“お茶の間ファン”が、今回購入しているのも大きいかもしれません。実際、私の周りでもそうした話を多く耳にしました。なかには“解散すると聞いて初めてSMAPのこと好きだったんだと気づいた”という声も。どれほど多くの人から愛されたグループかを証明する数字ではないでしょうか」

 『SAMP 25 YEARS』に収録されている曲は、ファンのリクエストにより決定した上位50曲である。解散報道に揺れる中でのファン投票だったこと、そしてXデーを間近に控えての発売だったことも、本作の注目を集めるきっかけとなった。

「『世界に一つだけの花』や『夜空ノムコウ』など誰もが知る代表曲はもちろん、ファンの方が選んだからこその名曲も。聴く人によって“あの頃を思い出すな”と懐かしむこともできますし、“こんな曲もあったのか”と新たな発見ができるのも、このアルバムの良さではないでしょうか。12月31日放送のラジオ番組『中居正広のSome girl' SMAP』(ニッポン放送)では、ベストアルバムの収録曲を見ながら、中居さんご自身がイメージしたラインナップが“みんなとほぼほぼ変わらない”とおっしゃっていました。このアルバムを聴いた後に、また各自の心の中のSMAPベストアルバムが更新されていくのでしょう。そういう意味でもSMAPの楽曲は、この先も長く愛され続けるのだと思います」

 12月31日に、惜しまれながら解散したSMAP。解散後、ファンクラブ会員にはメンバーから直筆のメッセージが限定公開され、さらにジャニーズの公式HPにも同様の内容が掲載された。それぞれがSMAPであった日々を慈しみ、ファンへの愛を感じさせる内容だった。

「アイドルは、注目されてこその職業。しかし、ときに人気者がゆえに情報が溢れ、なかにはファンを傷つける内容もささやかれていく。そんな理屈と矛盾に満ちているのが、アイドルを取り巻く世界です。言葉ひとつ、発言したタイミングによって、様々な憶測を呼び大きな意味を持ってしまう。だからこそ、解散まで彼らは沈黙を貫いていたのでしょう。これまでメンバーに不祥事が起きたときも、日本に大きな災害があったときも、誰かを攻めたり原因を探ったりするのではなく、今できることは何かをまっすぐに見つめるのがSMAPというグループでした。そのスピリットに敬意を表するならば、今はソロ活動に専念するという彼らなりの最善策を応援したい。香取慎吾さんと草なぎ剛さんのラジオ番組『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)で、おふたりが歌った『シンツヨ Be on right!』の歌詞にあるように<理屈や矛盾に押しつぶされる だけど耳をすませば シンツヨ Be on right! 心は晴れるよ>という気持ちで、今はそれぞれの活躍をそっと見守りたいです」

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