星野源はなぜ“人気者”になった? 黒柳徹子とのトークから“不思議な魅力”を考える

 アニメーション映画『夜は短し歩けよ乙女』への声での出演、エッセイ集『いのちの車窓から』(KADOKAWA)刊行など、「恋」ヒット後も精力的に活躍を続ける星野源。彼が本日4月10日の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演。黒柳徹子とのトークにより、星野源の“不思議な魅力”が解き明かされた放送となった。

 番組で星野は“恋ダンス”がブームになっても、しばらくの間自身が“人気者”になっている実感がなく「遠い国の話を聞いている」ようだったと語った。「徐々に理解していった感じですね」としみじみした表情を見せた星野だが、黒柳と共演した2015年の『紅白歌合戦』(NHK総合)でパフォーマンスした「SUN」でも、既にそのエンターテイナーぶりを見せつけていた。

 さらに星野は、故・中村勘三郎と舞台『ニンゲン御破算』で共演したことを振り返り、中村から舞台裏で「家に帰ってお風呂に入っているときは本当に一人なんだよ」と言われたことを明かした。舞台上では“人気者”の中村が悩み、孤独を感じる姿に星野は「人間らしさというか親近感を感じた」という。

 そんな中「『勘三郎さんの歌を作ろう』と思って作った」という「化物」は、くも膜下出血から復帰後の初ライブで1曲目に歌われるなど、星野の完全復活を示すかのような曲となった。番組で星野は「ライターさんとかに『これは星野さんの復活の歌ですね』と言われるんですが、(自分では)『勘三郎さんの歌なんだけどな』と思って。後遺症がなく戻ってくることが出来たのは、勘三郎さんが天国から自分を戻してくれて、『この曲は俺のために作ってくれたけど、源ちゃんの歌にしたほうがいいよ』と言ってくれたような気がします」と微笑んだ。

 たしかに「化物」冒頭の<風呂場で泡立つ胸の奥騒ぐ>という歌詞に、「お風呂に入っているときは本当に一人」と言った中村の姿が重なる。「化物」は、「SUN」「恋」に通ずるようなポップなメロディ。しかしそこで歌われる言葉は、綺麗事ではない魂の叫びだ。<誰かこの声を聞いてよ 今も高鳴る体中で響く 叫び狂う音が明日を連れてきて 奈落の底から化けた僕をせり上げていく>ーー。「化物」の歌詞は星野が倒れる前に書かれているが、星野が倒れたことで彼自身の姿と重なるようになったのだ。

 さらに星野は、憧れの存在だと度々語っているクレージーキャッツを初めて見た時に「おとなしいままでも、こういうもの(明るいもの)を目指して良いのかもしれない」と感じたことを明かすと、クレージーキャッツとデビュー時期が近い黒柳は「みんなを楽しませる、そういうものが音楽でできたらいいとお思いになったでしょう?」と頷いた。

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