姫乃たま × ぱいぱいでか美、両立アイドルが考える理想の“私”と“活動スタイル”

姫乃たま×ぱいぱいでか美 特別対談

 姫乃たまが、音楽の表現活動に関わる様々なプロフェッショナルに話を聞く本サイトの連載『音楽のプロフェッショナルに聞く』。今回は番外編として、4月5日に両A面シングル『PPDKM / 桃色の人生!』をリリースしたばかりのぱいぱいでか美を招いた特別対談を企画。バラエティ番組への出演でもおなじみのぱいぱいでか美と、地下アイドルでの経験を活かした執筆で定評のある姫乃たま。音楽と並行してあらゆる活動を行う彼女たちが目指す理想の自分とは。公私ともに親交の深い2人に語り合ってもらった。(編集部)

将来的に芸能と音楽活動を半々くらいにやっていけるのが理想(ぱいぱいでか美)

姫乃たま(以下、姫乃):今回はアイドル業と何かを両立している人をテーマに呼ばれていて、でか美ちゃんはタレント業、私は文筆業っていうことになると思うんだけど、私は地下アイドルを自称しているし、でか美ちゃんに関してはそもそもアイドルを名乗ってないので、その辺りを最初に定義というか説明したほうがいいかなと。

ぱいぱいでか美(以下、でか美):自称はしてないけど、活動だけ見たらアイドルだって思われてもおかしくないし、それはそれで光栄なことなので、「アイドルじゃなくて、ダンス&ボーカルユニットです!」みたいなことはないです(笑)。「ライターじゃなくて作家です!」みたいな。

姫乃:にゃははは。私もアイドルと呼ばれると申し訳ないような気持ちがするのでわかるんだけれど、でか美ちゃんはやっぱり自分がアイドル好きであることもアイドルを名乗れない要因になっているんだよね。

でか美:もともと自分がハロプロ(ハロー!プロジェクト)のファンなので、アイドルってすごい神聖なもので、ファンはステージ上のパフォーマンスだけを評価する存在だって思ってて……うーん、すごい語弊はあると思うんだけど、極端な話ハロプロしかアイドルじゃないと思ってるところがあって。

姫乃:そうなると事実として、でか美ちゃんはハロプロのメンバーではないから。

でか美:そう。自分自身が想像してるアイドル像から離れ過ぎちゃってて、それで自称できないんだよね。最近はアイドルも多様化してるし、地下アイドルって言われることにもだいぶ慣れてきたけど、アイドルですよねって言われると……。

姫乃:にゃはは、それはそれでねえ。

でか美:うーーーん??! ってなるよね。だから自分ではWikipediaにも書いてあるタレントって肩書きが、何でも屋っぽくていいかなって思ってる。

姫乃:ふむふむ、ちなみに今日は結論として「理想のアイドル像」を教えてほしいってことだったんだけど、アイドルじゃなくて「理想のぱいぱいでか美像」にしよっか。

でか美:「理想のアイドル像」はハロプロに入れなかった時点で終わっているので……。

姫乃:あっ、すごい、いま目の輝きが失われた。

でか美:もうね、最近、私ってハロプロに入りたかったんだなってすごい思うようになった。ハロプロ好きになった頃には高1だったからすっかり諦めてて、音楽始めた時には19歳だったから本当にハロプロには入れない年齢になっちゃってて。

姫乃:あれっ、でもモーニング娘。って小学生くらいの時には流行っていたような。

でか美:全盛期も好きだったんだけど、中学の時はギャルであゆ(浜崎あゆみ)とかばっかり聴いてたから……はあ……。

姫乃:あわわわ。ここまで好きになるきっかけはなんだったの?

でか美:高校生の時に仲良かった男の子からカラオケで、「言いたいことがあるんだけど」って言われて、これは告白されるなって思ってたら、「俺、Berryz工房好きなんだよね……」ってカミングアウトされて。

姫乃:「言いたいことがあるんだよ!」

でか美:単にカラオケでBerryz工房歌いたかったからカミングアウトされたっていう。それで「Berryz工房行進曲」っていう、Berryz工房のなかでもそこそこヤバい曲を歌われて、その時はびっくりしたんだけど、特にオタクに偏見とかなかったから家帰って調べたその日に好きになった。それこそ最初に見たのがももち(嗣永桃子)の動画で、「こんなに可愛い子がいるのか???!」って。

姫乃:恋だ。

でか美:一目惚れっていうか、わああああってなって。ちょっと時間が経った頃には、私の方がすっかり好きになってて、名古屋に来る日を調べて現場デビューもして。

姫乃:にゃははは!

でか美:まあだから「理想のアイドル像」はないけど、私の中では将来的に芸能と音楽活動を半々くらいにやっていけるのが一番理想だなって思ってます。

姫乃:うんうん、アイドル業はライブとかCDリリースとか音楽活動が中心になるもんね。じゃあ、いまはライブしながらテレビにも出てるし理想的なのでは!

でか美:でももっと仕事量は増やさないとなって思ってる。ペット飼えるくらいの余裕がほしい。

姫乃:最高にわかりやすい回答。でも先日も両A面シングル『PPDKM / 桃色の人生!』をリリースして、ラップに挑戦したり、大好きなももちにラブソングを書いたり、音楽活動も充実してるよね。

でか美:改めて言われると緊張するね(笑)。「PPDKM」は、いま所属しているパーフェクトミュージックっていう事務所をラップで“レペゼン”する曲になりました。

姫乃:レペゼンっていう単語を覚えたところに、でか美ちゃんのマジメさを感じました。基本的にJ-POPが好きな人だと思うけど、ラップは誰かを参考にしたの?

でか美:レコーディングの前に作詞作曲をしてくれたE TICKET PRODUCTIONさんがレッスンしてくれたんだけど、そこでもすぐ「マジメでしょ!」って言われて、影響されちゃうと思うから他の人の曲聞かないでくださいって。

姫乃:そうそう、でか美ちゃんマジメなんだよね。作詞はE TICKET PRODUCTIONさんからのアンケートに答えて書いてもらって。あっ、ごめん、黒柳徹子式で話を進めてしまいました。

でか美:はい(笑)。細かく書き込みすぎたみたいで、書きやすかったですって言ってもらってよかった。

姫乃:マジメだ!

でか美:「桃色の人生!」は、ももちに捧げるラブソングで、初めて100%自分の気持ちだけで書いた曲なので、これとカップリングの「言いたいことはありません」は自分で作曲もしました。

姫乃:でか美ちゃんは曲も作れちゃうんだよね。

でか美:編曲はやらないけどねー……。

姫乃:でもある程度ほかの人の手が入ってるほうが、私はアイドルっぽいと思うな。それよりも100%自分の気持ちだけで歌詞を書くのは、大好きなももちのことだから振り切れたと思うけど、基本的にはすごく難しいよね。

でか美:難しい! でも「桃色の人生!」はちょっとでも他者の視点を入れると、自分とは違う観点で応援してる人もいるのに、ほかのファンに良くないって思って100%自分の話にしたんだよね。

姫乃:そういえば、でか美ちゃんが専門学校時代に作詞の授業をとってて、講師がリアルサウンドの神谷(弘一)編集長だって知ってすごいびっくりしたんだけど、神谷さんに教えてもらったことは今でも活かされてる?

でか美:うんうん、作詞は神谷さんにしか習ったことないしね。作詞の基本はできてるって言ってもらえて、どうやってオリジナリティを出すかってこととか、メロディーにはめた時にどうなるかってことを教えてもらった。歌詞と詩は違うんだよってことを教えてくれたのは神谷さんだった。

姫乃:わあ、それってすごい大事なことだけど、実践してから気がつくまでに時間がかかるから早いうちに習えたのは羨ましいなあ。『PPDKM / 桃色の人生!』は事務所に所属してから2枚目のリリースになるけど、どういう意味合いのシングルになったのかな。

でか美:周りの誰も思ってなかったと思うけど、私の中ではこのシングルで一発やらなきゃっていう気持ちはあった。活動が安定してから何年か経つし、もうすぐ26歳になることとか、何よりももちの引退が決まったりとか、いろんなことが重なった時期だったから、気合いを入れ直すタイミングというか、溜めてきた気合いを出すタイミングではあるかなと思った。

姫乃:音源はコンスタントにリリースしたいって言ってたけど、前回よりもセールスは伸ばしたいみたいな気持ちが常にあるってことなんだよね?

でか美:そうなんだけど、そのために今回の売り上げ目標は何枚ですとか、そういうのを打ち出せないタイプだから……。

姫乃:それこそせっかく活動が安定したのに、こっちもファンも疲れちゃうもんねえ。

でか美:そうだね。だからそういうことは言わないけど、内なるものは秘めてるというか。

姫乃:うーむ、でか美ちゃんがマジメで頑張り屋さんなのが伝わってくるなあ。

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