Kis-My-Ft2は“オンリーワン”のアイドルに 『キスマイBUSAIKU!?』で楽しむメンバー個性

 Kis-My-Ft2のレギュラー番組『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系)の公式Twitterが開設された。5月27日現在、フォロワー数は8.5万人を突破。多くの視聴者に愛されている番組であることが見てとれる。

 “ジャニーズなのにブサイク”そんな辛辣な世間の声に、正面から向き合う形でスタートした『キスマイBUSAIKU!?』。初回放送は2012年に遡る。メンバーがカッコいい自分をプロデュースし、一般女性100人がシビアな視点でランクづけ。売り出し中のジャニーズアイドルに対して、「ダサい」「あざとい」など遠慮のないコメントでズバズバ斬っていくさまは、視聴者には新鮮かつ痛快に映った。2013年4月にはレギュラー化され、現在では綾野剛や菅田将暉、竹内涼真、成田凌などのイケメン俳優や、ジャニーズメンバーをゲストに迎えて、男前をかけたバトルを繰り広げる人気番組に成長した。

 もちろん、キスマイメンバーたちにとっては、まさに武者修行の場だったはず。耳の痛い意見というのは、なかなか積極的には聞き入れられないもの。だが、この番組があることで、キスマイは毎週のようにアイドルとしての自分を見つめることになった。勘違いしていたカッコよさを見直し、自分の良さを伸ばしていく。『キスマイBUSAIKU!?』を通じて、7人はそれぞれがオンリーワンのアイドルとして成長してきたように思う。最近の放送内容から見えてきた、メンバーの個性を改めて紐解きたい。

オールラウンダーアイドル北山宏光

 北山は、もともとサッカー少年だったということもあり、体育会系な雰囲気を持つ。負けず嫌いのアツさを持つがゆえ、強気な姿勢に見えることも。そのスタイルでカッコつけようとすると、どこかチャラい印象になっていた。だが、ここ最近の北山は、バランス感覚を身につけているように感じる。5月22日放送分の“ジムのインストラクター”のテーマは、まさに北山のキャラクターにハマり、Sっ気のある声掛けと、さりげなくタオルを渡す気づかいが高く評価された。アメとムチを上手に使い分けていた。そんなバランス感覚の高さは、バラエティの“笑い”と、アイドルの“男前な部分”を、自由自在に魅せられる器用なスタイルからも伺える。ブサイクにもイケメンにも、求められる姿に全力投球できる。それが幅広いジャンルで北山が活躍している理由だろう。

王子兼姫アイドル千賀健永 

 ふとしたときに出てくる“実家あるある”がリッチすぎるなど、育ちの良さを感じさせる千賀。母親の影響で毎日入念なスキンケアを欠かさないなど、女子力の高さも広く認識されてきた。恵まれた環境で王子のように……いや、姫のように育ったからか、自分からグイグイと引っ張っていくというよりは、どこか放っておけない魅力がある。5月1日放送の“朝から食べたくなる炊き込みご飯対決”では、旬のコーンを取り入れるところまでは良かったのだが、そのあと彼女役の仮名である“マイコ”にちなんで「マイコーン」と叫び出し、スタジオの笑いを誘った。「ネーミングがダサい」と辛口コメントが飛びかったが、そんな思わずクスッとさせてしまう独自なセンスこそ、千賀らしいところ。一般の感覚とはちょっとズレていることもあるけれど、そこが癖になってくる。“何が飛び出すかわからない”は、千賀の強い武器となっている。

最強オタクアイドル宮田俊哉

 宮田といえば“アイドルなのにアニメオタク”、という異色のプロフィールで一躍有名になり、そのガチなスタイルがアニメ好きからも認められ、一目を置かれるようになった。宮田にとって、“カッコつけ”の知識がアニメから得られたものだと考えると、4月17日放送の“嫉妬する彼女へのフォロー”で、ほっぺをツンツンするなど、ちょっぴりリアリティのない演出になってしまうのも頷ける。だが、最近では筋トレをするなど、大人の男としての魅力を磨いているらしい。“ジムのインストラクター対決”では、ノースリーブからたくましい二の腕もチラ見えした。さらに、説明がわかりやすく、コミュニケーションスキルの高さも伺わせた。アニメオタクからアイドルへ、そして……宮田はどこまで進化をするのだろうか。その成長を見守る楽しみがある。

正直すぎるアイドル横尾渉 

 歌も、ダンスも、トークも苦手だけれど、料理はプロ級、俳句は名人級……と、まさにアイドルとして独自の路線を突き進んでいる横尾。“朝から食べたくなる炊き込みご飯対決”では、1匹の鯛を使うなどさすがの腕前を披露する。だが、あまりにスキルが高すぎて「朝から全力過ぎる」と若干引かれるのも、横尾らしいところ。“ジムのインストラクター対決”では、楽しく勝負をしながら筋トレをしようと提案しながらも、手を抜くことはなく勝ってしまうし、5月9日放送の“激ムズパーキングでカッコいい駐車対決”は、なかなかうまく駐車できず最終的にはキュンとさせるどころか「ごめん」と潔く謝ってしまう。誠実がゆえに、妥協を知らない。失敗をごまかすこともしない。その清々しい姿勢があるからこそ、ポンコツな部分も愛されるのだろう。

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