Leadが語る、15周年迎えたグループの強み「どんな曲でも軸に“ヒップホップ感”がある」

Lead、15周年迎えたグループの強み

 平均年齢14.5歳でデビューし、今年15周年を迎えたダンスボーカルユニット・Lead。現在では作詞作曲、振付など自らを取り巻くクリエイティブにも積極的に取り組んでおり、数多あるダンスボーカルグループとは一線を画すスタイルを貫く彼ら。先日終えた15周年記念ライブ『Lead 15th Anniversary Live~感今導祭~』の振り返りや、彼らのこれまでの道のりとこれからへの思いを綴ったニューシングル『Beautiful Day』(8月23日発売)、そしてタフなパフォーマンスで魅せるツアー『Upturn』(9月2日スタート)についてのコメントなどから、新たなフェーズに突入しつつある彼らの勢いを感じてほしい。(古知屋ジュン)

15周年記念ライブのエンディングを飾った新曲「Beautiful Day」

――先日の『感今導祭』では全シングル+アルバムリード曲32曲をノンストップでパフォーマンスされていて圧巻でした(レポートはこちら)。あのライブの演出テーマというのは?

鍵本輝(以下、輝):「細かい演出はなしにしよう」というのがまずありました。楽曲と自分たちのパフォーマンス、その一本だけでいこう、みたいな。その自分たちのパフォーマンスにもダンサーは入れずに、3人だけでステージの空間を埋めていこうと。そういう大筋のコンセプトは最初から掲げてましたね。僕らの過去のツアーにはだいたいダンサーの方に参加してもらっていて、彼らが加わることによってパフォーマンスの幅がぐっと広がるんですけど、その広がりさえも自分たちだけで作れるよということをこのライブでは提示したいという思いもあって。

谷内伸也(以下、伸也):これまでリリースしてきたシングル曲をノンストップで披露していくなかで、自分たちだけでパフォーマンスすることで伝わるものがあればいいな、というか伝えたいなというので決めましたね。

輝:ただ楽曲のサウンド面については、15年前と今とでは使いたい音の種類や音圧も変わってきているので、その部分のサポートの意味も含めてバンドの方々に入ってもらう形を取りました。やっぱり生バンドが入ることで音の厚みも違いましたし、改めてすごくよかったなと。

――本編ではほとんどMCもなかったですが、パフォーマンスしながらどんなことを考えていましたか?

敬多:1曲1曲歌ったり踊ることによって、当時の記憶も自然とよみがえってきたりするので、本当にいろんなことを思い出しながら。あの32曲のパフォーマンスを通して、ファンの方も聴いた当時のこととか思い出してもらえてたらいいなと思ったりしたんですけども。かなり感慨深かったです。

伸也:特に「HURRICANE」(2011年発表)辺りからの楽曲はどれも、振付の手数や構成が一気にめまぐるしくなるんで。その当時から、より自分たちの思いを歌詞や振付に反映したりもしていて。「Wanna Be With You」(2012年)だったり「Stand and Fight」(2012年のアルバム『NOW OR NEVER』リード曲)、「Still」(2012年)、「Upturn」(2013年)とかの構成は体力的にもきますけど……「Stand and Fight」は“踏みとどまって闘う”って意味だったりするんですけど、体力がピークにくるからこそ歌詞に込めたそういった思いがリンクして、よりパフォーマンスに気持ちが入ったというか。それが伝わっていたら嬉しいですね。

――みなさんもランナーズハイ状態だったかと思うんですけど、(中土居)宏宜さんが2013年に卒業される前後に発表された曲は、観る側にとっても自然と肩に力が入る時間帯だったというか。

敬多:まあ、そうもなりますよね。

輝:「Wanna Be With You」は宏宜が卒業してから初披露だったんですよね。4年4カ月ずっと歌ってこなかった楽曲で、ファンの方にとっては4人で表現していた光景が目に焼きついている状態から3人でのパフォーマンスを観てもらうことになったので。なんていうんですかね……3人でも魅せられるというのは大前提にあるんですけど、やっぱり4人でやってた当時の構成とかも大事にしたいというのはあって。なので振りでさわったのは立ち位置だけでしたね。

――「Wanna Be With You」には歌詞が2パターンあって、当日は作詞家の方が書かれた歌詞をベースにみなさんが加筆されたシングルバージョンを歌われてましたよね。

伸也:あの曲の歌詞はまさに15周年ライブにはふさわしい内容だったと思います。元々はラブソングだったんですけど、そこに自分たちがLeadとしてこれから活動していく上での意思みたいなものを詰め込む形で加筆したんですよね。宏宜が卒業してここ4年で、その世界観と気持ちが一番リンクした瞬間だなと思いました。

――ライブのあとで、宏宜さん在籍時の曲を含むセットリストは自分たちにとっても賭けだったけれど、前に進むためにあえてそうした……と伸也さんがおっしゃっていたのを覚えているんですが、その思いは上手く消化できたと思いますか。

伸也:うーん、観に来てくださった一人一人の声まで聞けたわけじゃないんで、一概には言えないんですけど。僕らとしてもそこについては迷いがあったんですよね。一番好きだったメンバーが卒業しても観に来てくれるようなファンの方々の支えもあっての今なんで、そこに触れていいのか、でも触れなかったら触れなかったで、あの時代がなかったことになる。それも嫌だし、という難しいところはあったんです。でもやっぱりあの時代があったから今があるので、そこは嘘をつかずにいこう、でも自分たちのエゴを押しつける感じにしたくはないから……という、複雑な気持ちも抱えつつ(苦笑)。でも僕らはまだまだ進んでいくので、これから先のLeadに期待を持ってもらえるようにしたいなっていう思いで構成を作って、当日もステージに立っていましたね。

――希望を感じさせる新曲「Beautiful Day」で終わる構成もよかったですよね。これまでのグループの道のりを表現した歌詞は3人で書かれたそうですが、どうやって肉付けしていったんですか。

伸也:それぞれ書いてみて、何回かやりとりしたんですよね。それで「いやなんか違うな、みんなで一気に書こう!」って話になって、集まって書いて。

輝:15周年の第一弾リリースになるので、これまでとこれからのLeadの気持ちが詰まったものにしていきたいなっていうのは大筋としてあったんですよ。でもそれだけだとLeadを応援してくれている人とLeadだけの世界観で終わってしまうな、という危惧もあって。新たにLeadを知ってくれた人がすんなり入ってきやすいようにもしたかったので、自分たちの思いを込めながらも「ラブソングを書く感じで書いていかない?」っていう話を最初にしたんですよね。この曲はサビから始まるので、そういう気持ちを込めてサビから書き始めて、そこからストーリー展開というか、枝葉をつけていくみたいな流れでした。

――敬多さんの歌からスタートする曲ってわりとそうだと思うんですけど、15年目にしてみずみずしさを感じさせるというか。輝さんのハイトーンや伸也さんの勢いのあるラップも含めて、なんだか若返った感があったんですよ。

敬多:そうですか? ありのまま歌ったらああいう感じになったんですけどね(笑)。

伸也:変幻自在なんですよ、敬多の歌は。渋くなろうと思えば渋くなれるし、爽やかになろうと思えば爽やかになれる。カップリングの「Say Good-bye Say Hello」なんかは哀愁があって、またテイストが違うんですよね。

敬多:歌い方は変えるようにはなりましたね。昔はそんなことはわからずにわりと一辺倒というかがむしゃらに歌ってましたけど。歌い方を変えれば伝わり方も変わるなっていうのもこれまでの活動で学んだところなんで、それは活かしたいなって。よりこの世界観が伝わるといいなっていう思いで歌ってます。伸ちゃんのラップも、いつもよりちょっとやんちゃな感じがあってね。

伸也:そうですね。歌のイメージとしてそれぞれ“昼感”っていう共通点はあるんですけど、例えば河べりで座ってくつろいでる敬多と河に入ってバシャバシャ水遊びしてる僕みたいな。そういうキャラの違いが見えたらいいなって。

輝:で、僕はドローン飛ばして2人を撮影してる。

――完全にスタッフ側じゃないですか(笑)。でも実際にドローンを使われたこの曲のMVも、すごく新鮮味がありましたね。

【MV】Beautiful Day / Lead

輝:MVを撮る話になったときに「これはスタジオ撮影じゃないよね?」という雰囲気がまずあって。タイトルが「Beautiful Day」なんで、きれいな場所で壮大なスケールの映像を撮れたらっていう僕らの考えと、監督の考えが一致してたんですよ。そして大自然の中で撮ることと、曲中で雨が降るっていうのは絶対表現したかった。それもあって、映像のスケールが全然違ってきますし、ハイアングルから撮れるのもいいなと思っていたので、ドローンを使いたいっていうのは最初から話してたんです。自分たちの思いを本当に上手く吸い上げてくれた監督だったので、この監督に出会えてよかったなって。

敬多:映画のワンシーンみたいにすごくきれいに仕上げてもらいました。編集とかでもいろいろ技術を駆使してくださって。この曲の軸にある“ビューティフルな世界観”を、映像の色味だとかいろんな面で表現してくれたことに感謝してます。

伸也:本当にいい出会いでした。随所に入ってくるエフェクトなんかも絶妙ですからね。

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