THE ORAL CIGARETTESの快進撃は終わらない “思い出の地”での熱演を見た!

THE ORAL CIGARETTES、SLSレポ

 スペースシャワーTVが主催する野外ライブイベント『SWEET LOVE SHOWER 2017』が、今年は8月25~27日の3日間にわたって山梨・山中湖交流プラザ きららで開催中だ。リアルサウンドでは、同イベントのライブレポートを掲載。本稿では、Mt.FUJI STAGEのトリを務めたTHE ORAL CIGARETTESのライブの模様をレポートする。

 『SWEET LOVE SHOWER 2017』初日、Mt.FUJI STAGEのトリを務めたのはTHE ORAL CIGARETTESだ。SEと手拍子に迎えられステージに現れた山中拓也(Vo/Gt)、鈴木重伸(Gt)、あきらかにあきら(Ba/Cho)、中西雅哉(Dr)の4人。ライブは2ndシングル曲「エイミー」からスタートした。清涼感溢れるギターのイントロから幕を開け、初っ端からテンションの高いアンサンブルを響かせる。曲中に、山中が「この『SWEET LOVE SHOWER』が僕らの始まりです」と叫んだのも印象的だった。

 のちのMCで明かされた通り、THE ORAL CIGARETTESが初めて“フェス”と呼ばれるイベントのステージに立ったのは、『SWEET LOVE SHOWER 2013』のオープニングアクトとしてだった。その後、山中が声帯ポリープの摘出手術のためのライブ活動休止を告げたのは2015年、そしてその復帰ステージが2016年。THE ORAL CIGARETTESはバンドの道のりにとって大事なタイミングで、必ずこの『SWEET LOVE SHOWER』のステージに立ってきた。そして今年、このMt.FUJI STAGEのトリを務めたことはバンドにとっても、そしてファンにとっても感慨深い出来事だったのではないだろうか。

 続けて披露されたのは、2013年発表の「mist…」。この日、バンド初期のこの楽曲を披露したのも、バンドの原点を確かめるためでもあったのだろう。山中のアカペラから始まった「5150」では、オーディエンスに歌を預け、さらに、日が暮れたなかでのレーザー演出が映えた「気づけよBaby」は、リズムの変化をつけながら、楽曲に緩急を生み出していた。

 新曲「BLACK MEMORY」以降は、山中はギターを置いてハンドマイクで歌唱。マイクを持ってステージを練り歩きながら歌う山中は、シンガー、そしてバンドを率いるフロントマンとして、つい目を奪われてしまうスター性を備えている。また、間奏では鈴木がギターソロも披露。各プレイヤーとしてのスキルを発揮する時間もライブの大切なハイライトとなっていた。

鈴木重伸(Gt)

 「カンタンナコト」では、ラップ的な矢継ぎ早の歌唱、そして巻き舌も使ったシャウトなど歌の技巧でもオーディエンスを沸かせる。そしてラストナンバー「トナリアウ」でも情感豊かな歌を響かせた。演奏が終了したあとも、山中は最後まで一人で残り、深くお辞儀をしてからステージを去っていった。

 ギターロックを中心にしながらも、様々な音楽ジャンルの要素を取り入れた楽曲のレンジの広さが魅力のひとつでもあるTHE ORAL CIGARETTES。その魅力がより多くの人に届いていることは、この日のステージからも実感できた。THE ORAL CIGARETTESの快進撃は、この先も続いていくはずだ。

(文=若田悠希/撮影=西槇太一)

■セットリスト
THE ORAL CIGARETTES
『SWEET LOVE SHOWER 2017』
2017年8月25(金)山梨・山中湖交流プラザ きらら

1. エイミー
2. mist...
3. 5150
4. 気づけよBaby
5. BLACK MEMORY
6. カンタンナコト
7. 狂乱 Hey Kids!!
8. トナリアウ

『SWEET LOVE SHOWER 2017』ライブレポート特集

8月25日(金)

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マキシマム ザ ホルモンのライブには“熱い幸福感”がある 4年ぶりSWEET LOVE SHOWERレポ

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