レキシが見せる、無敵のエンターテインメント! 稲穂も揺れたSWEET LOVE SHOWERレポ

レキシ、SLSレポ

 スペースシャワーTVが主催する野外ライブイベント『SWEET LOVE SHOWER 2017』が、今年は8月25~27日の3日間にわたって山梨・山中湖交流プラザ きららで開催中だ。リアルサウンドでは、同イベントのライブレポートを掲載。本稿では、3日目LAKESIDE STAGEのレキシのライブの模様をお届けする。


 
 のぼりが立てられたステージと、法螺貝の音色が吹き荒ぶSE。LAKESIDE STAGE、3番手はレキシである。昨年は“オシャレキシ”こと上原ひろみのステージに助っ人として急遽出演。強力なバンドメンバーを巻き込んでアドリブ合戦を繰り広げたことも記憶に新しい。

 すでにステージ上にスタンバイ済みのサポートバンドが「KMTR645」のイントロを鳴らすなか、ビニール製のイルカを手に「イェーイ!  ラブシャ! イルカの曲いくよー!」と池田貴史が登場。ステージの背後に山脈が連なるフィールドにはオーディエンスが持参した稲穂(を模したレキシ公式グッズ)が揺れ、池田が投げこんだイルカがその上を泳いでいく。異様な光景のなか、80年代オマージュの最新シングル曲「KATOKU」を続けて演奏。さらにドラムのビートが曲間を繋げるなか、「おい、こんなにトントン拍子で曲やっていいのか!」と動揺しながら十二単を羽織り「SHIKIBU」へ。ここまでで3曲。時間で言うとおよそ15分。レキシのライブでは類を見ないほどすんなりと進んでいる。

 聞き覚えのあるキーボードのコードが鳴ると、オーディエンスが大きな歓声を上げた。「次の曲は超長い!」とここで始まったのが「狩りから稲作へ」。ファンク由来の黒いグルーヴが生むうねりに乗っかって、バンドメンバーが自由に音を鳴らしまくっている感じが最高だ。そんななか、池田は「年々稲穂が増えてますね。ありがたい。でもすすきはやめろ!」とオーディエンスをイジり、「これが本当のライスシャワーです」と上手いこと言い、最前列付近にいた男の子をあやすような仕草をしたあと「お前に養子にしてやろうか!」と一言。さらにタンバリンを振りながらゆずの「夏色」を「稲穂をいっぱい握り締めて ゆっくりゆっくり振ってる〜♪」とアレンジして歌うなど、共演者イジりも健在である。言わずもがな、会場は爆笑の渦に。「きらきら武士」でその幸福感を膨らませ、ライブは終了した。

 「今年最後のラブシャになるかと思いますので」と本人は冗談めかしていたが、いろいろな意味で身を削り、この日この瞬間でしかありえない出来事を巻き起こしていくのがレキシのライブ。一期一会の体験を求め、多くの人が集うフェスという場所は、レキシが生み出すエンターテインメントとの親和性が非常に高いのだろう。


(文=蜂須賀ちなみ/撮影=岸田哲平)

■セットリスト
レキシ
『SWEET LOVE SHOWER 2017』
2017年8月27(日)山梨・山中湖交流プラザ きらら

1. KMTR645
2. KATOKU
3. SHIKIBU
4. 狩りから稲作へ
5. きらきら武士

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