ポルノグラフィティ、新曲と夏フェスで示した“一体感”の進化 「キング&クイーン」Mステで初披露

ポルノ、一体感を追求した最新曲を考察

 デビュー当初より応援するリスナーから、映画『名探偵コナン 業火の向日葵』主題歌「オー!リバル」といった近年のタイアップ作品で彼らの音楽に親しんだ世代まで、幅広いファン層から支持されるポルノグラフィティ。本日9月1日に出演する『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では、「ワールドグランドチャンピオンズカップ2017(通称:グラチャンバレー2017)」テーマ曲の「キング&クイーン」を披露する。

 同楽曲は、45作目のシングル『キング&クイーン / Montage』の表題曲。疾走感あるバンドサウンドが際立つ「Montage」に対し、「キング&クイーン」は岡野昭仁(Vo)が手がけたキャッチーなメロディと、爽やかなアレンジによってポップス色の濃いものに仕上がっている。<誰よりも高く飛ぶんだ><困難も涙も汗も輝ける栄光の日々さ>といったストレートな歌詞が耳に残る一方で、クラップやシンガロングも印象的だ。

ポルノグラフィティ『キング&クイーン/Montage』MV(YouTube ver.)

 ポルノグラフィティが支持されている理由は「キング&クイーン」のようなポップな楽曲、岡野の歌唱力の高さや歌声はもちろんだが、特筆すべきはライブパフォーマンスだろう。近年は単独ライブのみならずロックフェスへの参加も増えており、特に今年の夏は『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017』、『MONSTER baSH 2017』、『SWEET LOVE SHOWER 2017』と精力的に出演していた。

 彼らのパフォーマンスは、そうしたロックフェスの場でもひときわ盛り上がりを見せてきた。『MONSTER baSH 2017』でパフォーマンスを見たcoldrain・RxYxO(Ba/Vo)は「それにしても本当ポルノグラフィティ先輩達ヤバかったなぁぁぁ!!!」(RxYxO Twitter)と興奮気味にツイートし、LAMP IN TERREN・大屋 真太郎もポルノグラフィティのステージを最高と評していた。フェス出演後、後輩バンドたちがパフォーマンスについて多数言及していることからも、彼らが“ロックバンド”として存在感を示していることが分かる。

 また、ポルノのロックバンドとしての側面を際立たせているのは、新藤晴一(Gt)によるギタープレイだ。主張の強いテクニカルなギターソロを積極的に弾くわけではない。しかし、ロックとポップスを行き来する新藤のマルチな演奏があるからこそ、ポルノの幅広い音楽性は実現できたと言える。例えば「真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」「2012Spark」といったロック色の強い楽曲ではゴリゴリのロックサウンドを鳴らし、ポルノの十八番であるラテン調の楽曲で見せるリズミカルなカッティングギター、ポップ要素を前面に押し出した「キング&クイーン」ではディスコ調のビートや晴れやかなシンセサイザーにマッチしたギターフレーズを奏でるなど、新藤のギターは曲にあわせて次々と表情を変える。さらにステージでは、より一層変幻自在なギタープレイでライブ感を演出してくるのだから、その引き出しの多さに驚きを覚えたオーディエンスも多いはず。夏フェスで共演したフレデリック・赤頭隆児(Gt)も新藤のギタープレイを賞賛するツイートを残している。

 そんな様々なアーティストたちからリスペクトされる彼らのライブの醍醐味は、会場全体で“一体感”を味わえること。「ミュージック・アワー」での“変な踊り”、「ハネウマライダー」でのタオル回しなど、多くの楽曲で会場を盛り上げる要素が加えられ、感化された観客たちの一糸乱れぬクラップやシンガロングが見られる。今回の「キング&クイーン」も、先述した通りサビの後にクラップやシンガロングが入るなど、ライブパフォーマンスとの相性は良さそうだ。ライブの定番曲になる可能性を秘めているだけに、実際のステージでどのような魅せ方をしてくれるのか、そのお披露目を心待ちにしているファンも少なくないだろう。

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