MIYAVIと三浦大知、最強の“戦友”が繰り広げる超絶セッション Mステパフォーマンスで果たす意義

MIYAVIvs三浦大知、TVパフォーマンスの意義

 MIYAVIと三浦大知。ともに才能を認め合い、高め合ってきた2人の表現者が、11月8日にリリースされた『SAMURAI SESSIONS vol.2』収録の「Dancing With My Fingers」でオリジナル曲でのコラボレーションを実現させた。

 『SAMURAI SESSIONS vol.2』は、今年デビュー15周年のMIYAVIが、三浦大知をはじめ、EXILE SHOKICHI(EXILE、EXILE THE SECOND)、KenKen(LIFE IS GROOVE、RIZE、Dragon Ash)、シェネル、SKY-HI、ちゃんみな、HYDE(L'Arc-en-Ciel、VAMPS)、VERBAL(m-flo/PKCZ®)、Masato(coldrain)といった個性豊かな9組のアーティスト、さらには雅-MIYAVI-名義の自身と楽曲を通して“対戦”するというコンセプトのもと制作したセッションアルバムである。三浦大知との「Dancing With My Fingers」は、メインのフレーズでMIYAVIが奏でるギターと三浦大知のファルセットが重なり、ダンサブルなビートに乗せてそれぞれが踊るように、歌い、奏でる一曲。そのサウンドは、2人が音楽でバトルする様子が鮮烈に浮かび上がるほどいきいきとしている。アルバムの1曲目を飾るに相応しい勢いを感じるナンバーだ。

「Dancing With My Fingers / MIYAVI vs 三浦大知」Music Video

 同曲のMVの監督は、MIYAVIが主題歌を務めた映画『無限の住人』の三池崇史。白一色の空間に現れたMIYAVIと三浦大知は、スタイリングも雰囲気もどこかラフな印象。しかし、MIYAVIが鋭いギターソロをかき鳴らすと、向かい合った2人がお互いを挑発しながら縦横無尽に動き回り、超絶パフォーマンスを繰り広げていく。華美な装飾も演出も必要ないほどのオーラと凄まじい熱量からはまさに“本物”の風格が漂い、そして何よりも歌うこと、踊ること、奏でることを心から楽しむ様子が伝わってくる。三浦大知がこの曲に寄せていた「デモが届き『Dancing With My Fingers』というタイトルを見て音を聴いた瞬間に、これは2人でしか作れない最高の一曲になるだろうと確信しました」という言葉の通り、体の一部のようにギターを弾き、呼吸をするようにダンスを踊る、そんな両者でなければ成立することのない奇跡的なコラボレーションである。

 「音で会話してナンボというか、(中略)本能と本能のぶつかり合い。刺激でもあり学びでもある」。11月9日放送の『SONGS「ザ・セッション~vs MIYAVI~」』(NHK総合)に出演した際、MIYAVIは様々なアーティストと積極的にセッションをする理由についてこう答えていた。音楽を通して他を知り、己を知る。それを繰り返すことで、自身を唯一無二の存在へと進化させてきたのだろう。またそれは、セッションする相手にとっても同様のことが言えるようだ。三浦大知も同番組において「自分の知らない自分が引き出される」とMIYAVIとのセッションについて語っていた。

 研ぎ澄まされたギターテクニックを武器に、人々を躍らせるため世界中を飛び回る“サムライ・ギタリスト”MIYAVIと、“日本でもっともグラミー賞に近い男”と称されるダンスとボーカルの実力を備えた三浦大知。彼らの共演が初めて多くの人々の目にふれたのは、昨年放送の『2016 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)、三浦大知「Cry & Fight」のパフォーマンスだった。生放送という張り詰めた空気のなか繰り広げられた、美しくも激しいギターとダンス&ボーカルによるバトルは、視聴者に大きなインパクトを与えた。孤高の存在でもあるソロのギタリストとエンターテイナーが、お互いを信頼し、認め合うことによって、これほどまでに刺激的なパフォーマンスが生み出されるのかといった驚きと感動があったことを今でも覚えている。

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