スカパラ、[Alexandros]、POLYSICS……バンドシーンの充実示す新作

 UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介をフィーチャーした東京スカパラダイスオーケストラのニューシングル、いまや音楽シーンのド真ん中に存在している[Alexandros]の新曲など、魅力的なバンドの新作を紹介。これらの作品を通して、多様性を増してきた現在のバンドシーンの充実ぶりを実感してほしい。

東京スカパラダイスオーケストラ『白と黒のモントゥーノ feat.斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)』

 UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介(Vo / Gt)をゲストボーカリストに招いた東京スカパラダイスオーケストラのニューシングル表題曲「白と黒のモントゥーノ feat.斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)」は、スカ、ラテン、ロックが混ざり合い、生々しく、濃密なバンドグルーヴへとつながるアッパーチューン。ここ数年、ブラジル、アルゼンチンなど南米でツアーする機会が増えているスカパラだが、現地のミュージシャンとの交流のなかで得たものは、沖祐市(Key)の作曲によるこの曲にも色濃く反映されている。艶っぽく、妖しい匂いをまき散らすようなメロディを完璧に歌いこなす斎藤のボーカルも絶品。UNISON SQUARE GARDENとは違った魅力を引き出していることも、この楽曲がもたらした大きな成果だろう。

「白と黒のモントゥーノ feat.斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)」MV-YouTube Ver.-
[Alexandros]『明日、また』(通常盤)

 昨年11月にリリースした6thアルバム『EXIST!』がオリコンやBillboard JAPANチャートなどで1位を獲得するなど、ロックシーンの枠を超えた幅広いポピュラリティを獲得するに至った[Alexandros]。今年の夏フェスでも披露されていた新曲「明日、また」には、ファンキーなギターカッティング、トロピカルハウス的な音像、バウンシーなダンスビートなどが取り入れられ、すべてのオーディエンスに向けられた解放的な楽曲に仕上がっている。意欲的に間口を広げつつ、一瞬で[Alexandros]の曲だとわかる固有性と音楽的なオリジナリティをしっかりキープしているところが、現在の彼らの好調ぶりの要因だろう。何よりもポップであることを恐れない姿勢が素晴らしいと思う。

[Alexandros] - 明日、また (MV) (short ver.)
BLUE ENCOUNT『VS』

 武道館、幕張メッセでワンマンライブを成功させ、バンドシーンにおける確固たるポジションを築き上げた現在も、ファイティングポーズを崩さないBLUE ENCOUNT。ニューシングル『VS』表題曲は、タイトル通り、彼らの戦う姿勢をダイレクトに示したナンバーだ。その中心にあるのは“自分との戦い”“他者との戦い”の両方の意味合いを兼ね備えた歌詞。自分の弱さと向き合い、逃げ出したくなる気持ちを気合いで抑え込みながら進んでいくブルエンの在り方をそのまま映し出した楽曲と言えるだろう。徹底的にエモーショナルなメロディライン、エレクトロの要素を取り入れながら強靭さを失うことがないバンドサウンドも、歌に込められたメッセージを際立たせている。

BLUE ENCOUNT 『VS』(初回盤特典DVD Teaser Movie)【テレビ東京系アニメ「銀魂」ポロリ篇オープニングテーマ】

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる