DAOKO、荻野目洋子、東方神起……年末に向けてダンスMVと一緒に楽しみたい新作

 2017年も残り2週間弱。相変わらず問題山積みの世の中だけど、そして、まったく悩みやトラブルを抱えていない人はおそらく皆無だろうけど、年の瀬くらいはすべてを忘れて楽しみたい、騒ぎたいーーという切実な思いに応える新作を紹介。個性的なダンスを取り入れたMVや、ダンサブルなナンバーで盛り上がりつつ、今年1年のストレスを解消してほしい。

DAOKO『THANK YOU BLUE』(通常盤)

 「打上花火」(DAOKO×米津玄師)、「ステップアップLOVE」(DAOKO×岡村靖幸)、そしてBeckの楽曲に参加した「UP ALL NIGHT×DAOKO」。ジャンル、国籍、世代を超えたコラボレーションによって大躍進を遂げたDAOKOのメジャー2ndアルバム『THANK YOU BLUE』。前作『DAOKO』(2015年3月)以降にリリースされたシングルを収めた本作には、ネットラップ出身の彼女がより幅広いポップネスを獲得し、自らの表現をアップデートさせたプロセスが刻み込まれている。エレクトロ、ハウス、ドラムンベースなどを自在に取り込みながら、どこか憂いのあるボーカルを加えることで独自のダンスミュージックを体現する彼女。本作はその最初のピークを象徴するアルバムとして認知されることになるはずだ。

DAOKO × 岡村靖幸『ステップアップLOVE』MUSIC VIDEO
DEAN FUJIOKA『Let it snow!』

 DEAN FUJIOKA自身が出演しているドラマ『今からあなたを脅迫します』(日本テレビ系)の主題歌として制作された表題曲「Let it snow!」は、フューチャーベース、トロピカルハウスを取り入れたド派手なトラック、80年代のJ-POPを想起させる大仰なメロディ、<なぜ雪を見ると君のことを思い出す>という感傷的なリリックを持つダンサブルなナンバー。サビの後に挿入される叙情的なサックスの音色を含めて相当に濃い口の楽曲だが、ゴージャズな雰囲気のボーカルが乗ると「なるほど!」と納得させられてしまう。自分自身の声質、ボーカルスタイル、ルックスなどを正確に掴んだうえで、それをもっとも効果的にプレゼンできる楽曲に結びつける、セルフプロデュース能力に長けたアーティストだと思う。

DEAN FUJIOKA「Let it snow!」Music Video
荻野目洋子『ダンシング・ヒーロー ジ・アーカイブス』

 大阪府立登美丘高校ダンス部による“バブリーダンス”動画によって再び脚光を集めている荻野目洋子。本作『ダンシング・ヒーロー ジ・アーカイブス』は「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)」のオリジナルのほか、英語バージョン、クラブミックス、アカペラカバー、カラオケ、さらに初音源化となる1989年の武道館公演のライブ音源(歌がとても上手くて驚かされます)など全15曲を収録した企画盤。1980年代半ばのユーロビートのリリースされた「ダンシング・ヒーロー」の魅力を多面的にプレゼンする本作は、キャリアのあるアーティストの再ブレイク、ヒット曲のリバイバルを促進する一つのモデルとしても興味深い。

【TDC】バブリーダンスPV 登美丘高校ダンス部 Tomioka Dance Club

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