YouTuberはネットの枠を越えて音楽を届ける存在に? 『U-FES.2017』レポート

『U-FES.2017』レポート

 人気YouTuberを数多く抱えるUUUMが主催するフェスイベント『U-FES.2017』。11月18日、満員のパシフィコ横浜国立大ホールを熱狂させた同イベントを、あらためて「音楽イベント」という観点から振り返りたい。

 例年、YouTubeフリークを楽しませているU-FES。メインイベントとなった「RED STAGE(午後の部)」では、1000万円の動画制作支援をかけた動画コンテストあり、クリエイターたちが2チームに分れて戦うクイズ企画「メガキンからの試練」あり、今年も大きな盛り上がりを見せたが、ハイライトはやはりライブパートとなる「UUUM SUPER LIVE」だった。

 オープニングを飾ったのは、カリスマブラザーズ。「みの」のギターソロが冴える「T.M.Gテーマソング」を披露し、会場をわかせた。浮遊感のあるトラックにのせて<俺たちはみなTMG(たまご)><お前が温めてくれたら>とセクシーにささやく、シアトル発のトリオらしいチルなR&Bテイストの曲で、彼らのシュールな魅力も伝わってくる。<どんなジャンルにも平伏さないぜ>と決意もにじみ、客席から「TMG!」のコールが響いた。

カリスマブラザーズ

 続いて登場したのは、この日限りの「U-FES.2017スペシャルコラボユニット」。「First Step!」は“好きなことで生きていく”ことの意味を歌ったキラーチューンで、メッセージ色の強いラップパートと、人気YouTuberが声を合わせる爽やかな歌ものパートがそれぞれに見どころになっていた。ラップパートでは6人組のJ-POP音楽グループ「HIROSHIMA FUSION UNITE」の確かなスキルに唸らされ、サビの<荒波がどうした? 世界中の笑顔を背負って何処にも行ける>のフレーズが説得力を持って響く。美容&メイク系YouTuberとして高い人気を誇り、「かわいい!」という歓声が相次いだ、たまちゅーーーぶ/住吉珠貴&新希咲乃が優しい歌声を届け、男女2人組の「パオパオチャンネル」がキュートなダンス、「北の打ち師達」は統制の取れた“ヲタ芸”を披露するなど、コラボユニットならではの楽しいステージが展開された。

 3組目は、UUUM加入の発表とともにサプライズ登場した、“恭ちゃん”こと恭一郎。ニコニコ動画(生放送)で爆発的な人気を獲得した配信者で、今年3月には「ワイルド・スピード ダイキャストカーシリーズ」のCMでDOTAMAとMCバトルを展開するなど、高いラップスキルの持ち主でもある。この日は持ち歌の「TKGのうた」を披露し、「全員登録しとけよ」と言い残して、颯爽と舞台を去っていった。

恭一郎

 電動スクーターに乗ってステージに上ったのは、4人からなる暴走最先端YouTuber「アバンティーズ」。ライブ初披露となった「アバみ」で、TRAPを中心としたトラックメイクで注目を集めるMasayoshi Iimoriのトラックに乗せ、それぞれのキャラクターを生かしたラップを展開する。<最後に一言 よく聞きな 愛してる>(ツリメ)のフレーズで歓声をわかせるなど、“マジ、アバみ。”のキャッチフレーズに恥じないパフォーマンスだった。

アバンティーズ

 企画をはさみ、5組目にはUUUM所属クリエイターのなかでも屈指の人気を誇るフィッシャーズと北の打ち師達が登場。8月にお台場で開催された「お台場みんなの夢大陸」内のライブで、7000人に及ぶ観客を集めて発表された配信限定リリース曲「虹」を歌い上げた。7人(7色)のメンバーをひとつの虹にたとえた、軽快なロックナンバーだ。

フィッシャーズ

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる