Crossfaithが語る、海外&同世代バンドからの刺激 「やってきたことは間違ってなかった」

Crossfaith、海外&同世代バンドからの刺激

 Crossfaithが1月24日、シングル『WIPEOUT』をリリースした。同作は“NEO TOKYO”をテーマに、軽快で派手なメロディと重厚なサウンドを両立させた表題曲をはじめとした3曲を収録した一作だ。今回もメンバー全員にインタビューを行い、主催イベント『ACROSS THE FUTURE』や10周年ツアー『10th ANNIVERSARY TOUR ONE MAN SHOWS -FAITH LAST FOREVER-』の振り返りから新作での挑戦、海外レコーディングのエピソードや、バンドの 「シングル・アルバム観」に至るまで、じっくりと語ってもらった。(編集部)

「海外の空気からインスピレーションを受けてできるものって大事」(Teru)

ーー昨年10月から12月にかけて全国ツアー『10th ANNIVERSARY TOUR ONE MAN SHOWS -FAITH LASTS FOREVER-』を行い、そのまま年明けに今回のシングルリリースと、ここまですごく良い流れですよね。

Teru:そうですね。アルバム『XENO』(2015年9月発売)以降は『New Age Warriors』(2016年7月発売)、『FREEDOM』(2017年8月発売)とシングルが続いて、もう1枚シングルを重ねてから次のアルバムかな? という感じで制作していこうかという、自分らの大きな予定みたいなものを1年以上前から組んでいたので、そこをずっと意識してずっと曲作りをしていたんです。

ーー制作の取り組み方において、以前と変わった部分はありますか?

Teru:新しいことにトライしてみようとは考えました。例えば今回の『WIPEOUT』はLAと日本でレコーディングしたりと、そういうレコーディングのプロセス自体を今までと変えてみたり。そこは以前と変わったところかもしれないですね。

ーー『FREEDOM』のときは久しぶりに国内で制作を進めたと前回のインタビューで伺いましたが(参照:マンチェスターテロ事件から改めて考えたーーCrossfaithが語る、“音楽で表現すべきこと”)、今回はまたそれとも違った進め方だったんですね。そういった環境の変化は、曲作りに影響を与えるものなんでしょうか?

Teru:絶対にあると思いますね。今回のシングルは去年の8月頃にLAでレコーディングしたんですけど、「Wipeout」はそのときにできた曲なんです。やっぱり海外の空気からインスピレーションを受けてできるものって大事で、だからこそ行く意味もある。エンジニアもドリュー(・ファルク)っていう前作のときと同じ奴に頼んで、彼がよく使うスタジオに僕らが行ったのでやりやすかったし。

Hiro:それに、日本がずっと梅雨の時期でもLAは天気が良くて、気持ち的にもめちゃめちゃポジティブやったしね(笑)。

Teru:やっぱりそういう部分も制作に反映してくるだろうし。

Hiro:俺ら、アメリカでもニュージャージーで3回ぐらいレコーディングしていて、そのときは真冬だったから……。

Tatsuya:雪が積もっていて(苦笑)。

Hiro:逆に、ヨーロッパツアーでは「Scarlett」(2013年9月発売のアルバム『APOCALYZE』収録曲)みたいな曲が生まれるようなこともあるんですけど。今回はLAのあのポジティブな空気の中で、みんなのバイブスを高めて「今日も太陽がギンギン射してるなあ」みたいな感じでスタジオに入ったからこそ、「Wipeout」みたいな曲ができたんじゃないかな。

Koie:そうだね。特に作詞作曲に関しては、環境の違いは大きな外的要因になりますね。とはいえ国内も海外も、どっちの良さもありますよ。日本だったら、レコーディングが終わって「よっしゃ、じゃあ家に帰ろう」って慣れたベッドで寝られるし(笑)。

ーーでは、作詞の面でも言葉のチョイスや伝えたいことに変化が生じることはあるんでしょうか?

Koie:歌詞というよりはフレージングであったり、楽曲としてのボーカルラインみたいなものは変わってきたりすると思います。でも、歌詞の内容に関してはできた曲をベースに広げていくものなので、作曲している環境はもちろんですけど、できた曲を聴く場所は大きく影響してくるような気がしますね。

ーーギターもその土地の気候によって、音の鳴りが変わるといいますよね。

Kazuki:そうですね。アナログのアンプに関しては電圧と気候で楽器の鳴りも全然違うし。特に電圧は顕著で、同じアンプでも海外のほうが出力が高いから音も前に出てきたり、そういうところはありますね。でも、今回はアンプシュミレートだとかデジタル要素の多い方法でレコーディングしたので、そういう意味では前作とはちょっと違う音作りになっていると思います。

ーードラムの観点では、そういう違いは感じますか?

Tatsuya:部屋鳴りの違いは、海外でレコーディングするようになってから特に感じるようになりました。その部屋で鳴っている音をアンビエントで録るときは、場所によって空気感とか天井の高さとかが変わってくるので、それに一番時間をかけるくらいですから。『FREEDOM』のときは日本でレコーディングしたんですけど、そのときは自分の使い慣れたドラムセットで録ったんですけど、海外には日本で使っているセットを持っていけなかったので、向こうのスタジオに自分が使いたい機材をレンタルで取り寄せて録ったんです。この『WIPEOUT』のレコーディングのときは、貸してくれたスタジオのオーナーがすごいこだわりの強い人で、ドラムのヘッドを変えたらあかん、チューニングを変えたらあかんって言われて(笑)。

Hiro:ドラム録りに立ち会ったんですけど、結構パンチのある人やったな(笑)。スタジオに入ったらヴィンテージものから見たことのないような楽器までたくさんあって、そういうこだわりの強いオーナーさんだからこそ、実際にドラム録りをするまでに結構時間がかかってしまって。そこでフラストレーションがどんどん溜まっていったからな(笑)。

Tatsuya:それで「やったれ!」って気持ちで叩けたし(笑)。

Hiro:特に2曲目の「Inside The Flames」の音を聴いたらわかると思うんですけど、今までにないぐらい爆発力が出ていると思うんです。そういうことがあって感情をブワーッと出せたのも、海外でレコーディングしたからこそかもしれないですね。

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