小池美波は欅坂46に“ビックウェーブ”を起こす? 想像の斜め上をいくキャラクターを検証

 『欅って、書けない?』(テレビ東京/以下けやかけ)の1月28日放送回にて、小池美波がMCの澤部佑(ハライチ)のエセ関西弁に対してキレ芸で対応したことが、ファンの間で話題を呼んでいる。

欅坂46『風に吹かれても』(通常盤)

 もともと関西弁の癒し声で、一部のファンから”欅坂の天使"と呼ばれている小池。しかし、時折キレ芸見せたり錆を見るとかじりたくなる癖など、“天使”のイメージからは想像もつかないようなギャップを持っている。また、レギュラーを務めるラジオ番組『ザ・ヒットスタジオ』(MBSラジオ)でも、『けやかけ』では見せない昭和文化に精通している知識とトーク力の高さが、ファンの間で注目を集めることもしばしば。関西弁をしゃべる妹キャラである一方、特技が水彩画であったり、『けやかけ』の初代マイノリティー女王に輝くなど、掘り下げがいのある意外な一面を多く持っている印象だ。

 まず、天使と呼ばれる由縁については、その見た目や声質はもちろん、たまに見せる気遣いへの評価も高い。たとえば、『SHOWROOM』で長沢菜々香がアイス作りに必要な塩が足りないと助けを求めると、暑いなか氷と塩を持って駆けつけたり、「不協和音」のMV撮影で小林由依が転んだ時も真っ先に駆け寄るなど、メンバーに対する優しさを発揮。また、お母さんと一緒に自転車に乗っていた子どもの靴を拾い、それを届けようと後を追いかけすぎて自分が迷子になってしまうというホッコリするエピソードもある。

 さらにメンバーの中で一番の変わり者を決める企画では、お風呂で一番最初に洗う場所は前髪と回答したり、風邪は両方の鼻にティッシュを詰めて治すと告白するなど、他とは一線を画す斜め上をいく回答を連続。結果として初代マイノリティー女王に輝き、只者ではないことがファンの間でも認知された。そんな小池を『けやかけ』MCの土田晃之は「ほわっとしているように見えて、意外と頑固で芯がある」、澤部は「キレキャラが面白い。怒らせたくなる妹感がある」と評している。(参考:『FLASHスペシャル 2017GW号』)

 ただ、『けやかけ』などで見せる面白さはほんの一部で、彼女を形成しているのは地元愛と昭和文化だったりする。当初から好きな歌手として、福山雅治、安全地帯、YMOを挙げ、父の影響でYMOの「ライディーン」にハマり、欅坂46のオーディションで歌ったのは石川ひとみの「まちぶせ」と渋めなチョイス。ラジオでは「バース・掛布・岡田のバックスクリーン三連発はほんまにヤバイ!」と阪神タイガース愛を語り、幼い頃はアニメ『宇宙戦艦ヤマト』を視聴していたほか、母親と一緒にピンクレディーやキャンディーズを踊るなど、『ちびまるこちゃん』を彷彿させる昭和のような生活が小池のキャラに大きな影響を与えたのは間違いない。ただ、一般的なアイドルには少々ニッチな得意分野なだけに、今はまだそのキャラを活かすことはできていない印象もある。

 そんな小池の真の面白さが解放されているのが『ザ・ヒットスタジオ』。関西ローカルなので知らない人が多いのが実にもったいない。ラジオ界の重鎮である吉田照美を相手に、彼女のルーツとも言える昭和のノリを気兼ねなく話す機会が与えられている。その様子はまさに水を得た魚であり、『けやかけ』では出てこないトークの瞬発力を見せる。可愛げのある声質を含め、ここまでラジオにハマるアイドルはなかなかいないのではないだろうか。さらにラジオでは、エセ関西弁に対して「ダボ」や「何言うてんねん、ちょっとツラ貸せ!」といったワードも飛び出し、普段の小池には見られない一面も垣間見える。

 また、福山雅治の大ファンでもある小池。福山が結婚を発表をした時にスマホを線路に落とすほどのショックを受け、福山の「気になるのは平手友梨奈さん」という発言で「けっこう今私はショックで、また第2のロスが来そうですね」と嫉妬心を露わにした。そんな面白話を尽きることなく毎週繰り広げ、「小料理屋みい」のコーナーではたまにソロで歌ったりと、のびのびと楽しそうな時間を過ごす様子が微笑ましい。仮に欅坂46という肩書きがなくなったとしても、小池なら芸能界で生きていけるのではないか、という期待すら持ってしまう。

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