TWICE、Negicco、フィロのス、ましのみ…サウンドメイクの妙を感じる、女性アーティストの新作

 歌詞の内容、ボーカルスタイル、ビジュアルなどに注目が集まりがちな女性アーティストだが、今回はあえてサウンド/アレンジにフォーカス。楽曲のコンセプトを際立たせ、増幅させるサウンドメイクの妙を感じることができる新作を紹介したい。

TWICE『Candy Pop』(通常盤)

 2017年6月にベストアルバム『#TWICE』で日本デビュー、10月には初の日本オリジナル曲「One More Time」がオリコンウィークリーチャートで1位を獲得。「TT」のMVで使われた“TTポーズ”は大ブームとなり、年末には『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に初出場を果たすなど大躍進を遂げたTWICEの2018年第1弾シングル表題曲「Candy Pop」はMin Lee “collapsedone” (JUNHO(From 2PM)、GOT7、DAY6などの楽曲を手がけるクリエイター)のサウンドメイクによるカラフルなポップナンバー。フューチャーポップ、EDM、ヒップホップなどを融合させながら目まぐるしく展開するトラック、かわいさのなかにエキゾチズムを感じさせるメロディラインを含め、TWICEのポップネスを多面的にプレゼンできる楽曲と言えるだろう。「Candy Pop」のMVでは初のアニメーション化に挑戦。『ラブライブ!』や『プリティーリズム』シリーズなどを手掛ける京極尚彦監督が、制作に携わっている。

TWICE「Candy Pop」Music Video
Negicco『カリプソ娘に花束を』(通常盤)

 2018年7月に結成15周年を迎えるNegicco。アニバーサリーイヤーの始まりを告げる約1年ぶりのニューシングル『カリプソ娘に花束を』表題曲は、ラテンフレイバーたっぷりのダンスナンバーだ。作詞・作曲はNegiccoのプロデューサー・connie、編曲・演奏はNegiccoとの初コラボとなるYOUR SONG IS GOOD。曲名通り、カリプソ、ソカ、スカなどのリズムを取り入れた有機的なバンドサウンドと80年代後半アイドルポップ的なメロディがひとつになったハイブリッドな楽曲に仕上がっている。西寺郷太、小西康陽、堂島孝平といったポップマエストロの楽曲によって音楽ファンの注目を集めたNegiccoの新たな名曲の誕生だ。カップリング曲「本日がスペシャル!」はハウスミュージックと渋谷系のエッセンスを取り込んだナンバーで、こちらも秀逸。

Negicco「カリプソ娘に花束を」(作詞・作曲 connie 編曲 YOUR SONG IS GOOD)
フィロソフィーのダンス『ダンス・ファウンダー(リ・ボーカル・バージョン)』

 NUMBER GIRL、氣志團、Base Ball Bearなどを世に送り出した加茂啓太郎氏のプロデュースによる4人組アイドルグループ・フィロソフィーのダンスの、2ndフルアルバム『ザ・ファウンダー』からのリカットシングル『ダンス・ファウンダー』。既にライブアンセムとして認知され、Spotifyのバイラルチャートで1位を記録するなど幅広い層のリスナーに支持されている表題曲は、フィロソフィーのダンスの音楽的支柱である“ファンクミュージックとアイドルポップの融合”をもっとも端的に示しているダンスナンバー。リカットに際してボーカルを再レコーディング、新たにミックスを加えることで、エモーショナルかつパワフルな歌の魅力を生々しく体感できるプロダクションが実現している。さらに昨年10月に行われた渋谷クラブクアトロ公演の音源10曲も収録。ボーカルの差し替えは一切なく、リアルな現場の雰囲気が味わえる。

フィロソフィーのダンス「ダンス・ファウンダー」MV

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