さとり少年団、初ワンマンで発揮したグループとそれぞれの個性 ライブ終了後のメンバーコメントも

さとり少年団、初ワンマンで見せた個性

 2017年11月にCDデビューした、さとり少年団の初ワンマンライブ『SATORI de GO!~Kick off~』が、3月3日に東京・aube shibuyaにて開催された。

 チケット完売となった会場は、永玖のピンク、颯斗のブルー、謙信のイエローというメンバーカラーのペンライトを握ったIROTAS(ファン)で満員。グループ初のオリジナル曲「I wanna say…」でライブが始まり、3人は「皆さん今日は最後まで盛り上がっていきましょー! 手拍子!」と冒頭から勢いよく呼びかけた。

 このライブに向けて2カ月ほど練習を積んできたというメンバーたちは、MCでもパフォーマンスでも気合十分。さらに初のバンド編成ということもあり、颯斗は「音の圧がすごい」、永玖は「負けてられないですね」と意気込みを語り、謙信が「今日は来てくれたみんなを全員幸せにするぞ!」と甘い声で放つと黄色い歓声がこだました。

 中盤パートでは新曲「WE/GO」をお披露目。「僕たちさとり少年団のこれからの決意表明のような曲」という爽やかなギターロックチューンに仕上がっている。バンドサウンドの映える曲であっても、激しくクールなダンスで魅せるのがこのグループの特徴だ。さらに、大人っぽいR&Bダンスとラップを合わせた切ないロストラブソング「gomenne」、ライブ初披露の「BREAK ME DOWN(rearrange)」と続き、多面的な魅力を振りまく。「BREAK ME DOWN(rearrange)」の振付を担当した颯斗は「今までの『BREAK ME DOWN』より鬼気迫る、さらに切ない感情が出せるように大きめの振りにしました。2番のAメロからバスドラの音数が増えるから、これをダンスで表現するにはどうしたらいいか考えました」とポイントを語った。

 ライブ後半でも初披露の楽曲が続く。各メンバーの紹介を盛り込んだ、さとり少年団のテーマソング「WE ARE SBC 2018」、さらに上を目指していく気持ちを込めた「パラダイムシフト」、ミディアムナンバーの「Stay Alive」。永玖のハスキーな歌声や、颯斗と謙信による緩急細やかなダンスで魅せる一方、MCではしゃぎ合う姿は同い年の3人とあって級友のよう。MCを仕切るしっかり者の颯斗、屈託のない笑顔で愛されキャラの謙信、クールなパフォーマンスと天然なMCのギャップが魅力的な永玖。3人それぞれの個性に会場のファンは魅了されていった。

 終盤、メンバーたちは結成当初より目標としていたワンマンライブを実現させた感慨をIROTASに伝えた。永玖は「この2カ月、猛特訓して僕たちの夢だった初のワンマンライブを迎えられてうれしいです。これから3人でがんばっていきたいと思いますが、そのためにはみんなの力が必要です。これからも僕たちについてきてくれたらうれしいです」、謙信は「今までライブは数々やってきたんですけど、今回はその中でも特別なライブです。今日に向けてのレッスンの中で、壁がたくさんあって、まだまだ自分は甘かったなと思いました。そんなとき2人(永玖、颯斗)やスタッフさんやブログにコメントしてくれるIROTASの皆さんに助けられました。これから自分が思い描いてる理想に近づいていけたらなと思います。天下獲ろうぜ!」と声を上げる。颯斗は結成当初から支えてくれているIROTASへ感謝を述べつつ「今まで3人の距離感がまだ遠かったんですね。今回のワンマンライブに向けてコーラスも初めてやったり、ダンスも難しくなったり……本気でぶつかり合ったことでこの景色が見れたので、まずは2人に感謝したいです。そして、僕たちはまだまだ満足してません! もっと曲数多く、大きな会場でやれることを目指していくので応援よろしくお願いします!」と宣言した。

 ラストに「売れたら忘れちゃうんでしょと思ってるかもしれないけど、絶対今日のみんなを忘れません!」「皆さんのおかげで忘れられない1日になりました」と挨拶した3人は、デビュー曲「ヘルプ ユー」を披露してライブ本編を締めくくる。また、アンコールに応えて再度ステージに登場すると、本編で披露した「WE/GO」を5月9日に2ndシングルとしてリリースすること、3月18日から神奈川・タワーレコード川崎店を皮切りにリリースイベントを開催することをサプライズ発表。IROTASに朗報を届けたあと、表題曲「WE/GO」を再度パフォーマンスして初ワンマンという記念すべきステージの幕を下ろした。

 また終演後は、3人が囲み取材に応えてこの日の感想を語った。各メンバーのコメントは次の通り。

颯斗

結成当初から目標にしてたワンマンライブだったので、賭ける思いもすごく大きくて。緊張してたんですけど、ステージに立ってみたらIROTASの皆さんがホームのような温かい表情で迎えてくれて、全編を通して熱量を感じてました。僕たちも楽しかったですし、IROTASの皆さんも楽しんでいただけるライブになったかなと思います。やり切りました。

永玖

今回は生バンドとパフォーマンスするということで大変なことも多かったんですけど、いい感じにマッチして楽しくやることができました。颯斗も言った通り、賭ける思いもすごく強くて、自分の気持ちが高ぶる場面もあったんですけど、IROTASの皆さんが温かく見守ってくれてやり切ることができました。これからも大きいステージを目指してこの3人でがんばっていきたいと思います。

謙信

今回の初ワンマンライブを通じて、メンバー間の絆であったり、メンバーとIROTASの皆さんとの絆が深まったなって改めて思いました。今回のライブは今までとは違って自分の中でいろんな壁にぶち当たることも多くて、自分はまだまだだなって落ち込むことも多かったんですけど、2人やスタッフさんやファンの皆さん、みんなの力のおかげで成功したと思うので、改めて周りの皆さんに感謝したいです。これから、もっともっとがんばってこれを超えるいいものを見せていけたらいいなと思います。本当に楽しくてあっという間でした。

 

 

■鳴田麻未
1990年東京都生まれ。ライター、編集者。2009年に都立工芸高校グラフィックアーツ科を卒業。同年夏から2016年まで7年半にわたって音楽ニュースサイト「音楽ナタリー」編集記者として、ニュース記事執筆、特集制作、企画、営業を行う。2017年1月より独立。Twitter:@m_ami_

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