EBiSSHのライブは多彩なテクニックによる“緊張と緩和”が心を掴む 全国ツアー東京公演レポ

EBiSSH、全国ツアー東京公演レポ

 3月4日に宮城・仙台MACANAを皮切りにスタートした、全5公演のEBiSSH全国ツアー『Let's EBiSSH! ~START 2018~』の東京公演が、3月17日に東京・Shibuya WWW Xで開催された。このツアーから披露している2曲の新曲に加え、この日新たに2曲の新曲を初披露してファンを喜ばせたほか、夏に3枚目のシングルをリリースすること、ゴールデンウィークにさとり少年団との2マンライブを開催することを発表。クールな格好良さと楽屋のような和気あいあいとしたトークという、ギャップが生み出す魅力で、集まったファンを魅了した。

 このツアーでは、全4曲の新曲が披露されたことが、大きなポイントだ。まずこのツアーからパフォーマンスしている新曲は、「エビパレ」と「HI・KA・RI〜君となら〜」の2曲。「エビパレ」は、ノリノリのパーティーチューンで、曲の前には、「サビで一緒に楽しんでほしい」と、振り付けをレクチャーした。ファンはここぞとばかりに、EBiSSHのロゴの入ったペンライトを振って振り付けを楽しむ。これ以上ない一体感と笑顔が、瞬く間に会場内に広まった。「HI・KA・RI〜君となら〜」は、アンコールの2曲目に披露した、浮遊感のあるEDM楽曲。ぬくもりという言葉が似合うナンバーで、「踊っていて胸がウッてなる」とNAOYA。「僕らがBAEBAEのことをずっと見つめ続けるから、BAEBAEも僕らのことを見つめていてほしい」というメッセージも添えて歌った。

 この日に初披露した新曲は、「CHANCE」と「僕ら見つめるモノ」の2曲。「CHANCE」は、アッパーのサウンドで、ラップありシャウトありといった、4人の格好良さが詰まった楽曲で、<CHANCE!>と歌うキメもばっちりキマっていた。今までのEBiSSHにはなかったタイプの楽曲に、ファンは「おお〜!」と驚きをみせつつ、その格好良さを目に焼き付けようと、ステージを一心に見つめ続けた。また、「僕ら見つめるモノ」は、アンコールのラストに披露した楽曲。歌う前には「僕らとBAEBAEが、同じ所を見て、大きなステージを目指していけるようにと気持ちを込めて作りました」とメンバー。ミディアムテンポの温かいムードの楽曲で、その中にも前を向いて突き進んでいくような力強さと意志が、しっかりと感じることができた。

 他に、ライブで人気のナンバーやシングル曲も披露。1stシングル曲「恋はタイミング」では、<I want you BAEBAE>と客席を指して歌う姿に、黄色い歓声があがった。「キミでいっぱい」では、ゆったりとしたビートに乗せて、ハイトーンのボーカルと低音のけだるいラップを聴かせる。2ndシングル曲「マイ・フレンド」では、NAOYAとKOHKIが向かい合って、ちょっとふざけ合うようなお茶目な仕草も見せた。また中盤ではTETTAとREIが、ソロでカバー曲を歌うコーナーも設けられ、ライブに色を添えていた。

 終始クールなパフォーマンスで魅了する楽曲から一転、MCでは素になった4人が、「楽屋でやれよ!」とツッコみたくなるほどのトークを展開する。ツアーを振り返り、福岡公演の直後に朝までボーリングをしていた話や、冬期五輪に影響され「そだねー」を連発するメンバーがいてうざかった話、動画サイトで公開されている『EBiSSH TV』の話など。たいていTETTAかREIがイジられて終わるのがいつものパターンで、この日も実によくしゃべった。楽しそうに話す4人の一挙手一投足に、ファンはその都度顔を見合わせたり声を上げたり、ピョンピョン跳ねたり、楽曲を楽しむのと同等の、もしくはそれ以上の熱量でトークを楽しむ姿が印象的だった。

 EBiSSHの楽曲は、いわゆるボーイズグループの中では珍しくミディアムやスローの楽曲が中心。アッパーであってもサウンドはどこか浮遊感が漂い、普段アイドルやダンスミュージックを聴かない世代でも、スッと受け入れることができるものばかりだ。しかし、その歌には、ファルセットやハイトーン、エモーショナルな感情表現など、多彩なテクニックが見て取れる。ダンスもスローな動きが中心であってもピシッとキメが揃い、緩急のある動きで楽曲に躍動感を与えている。そんな大人びた表現の合間にときおり見せる、少年のようなキラキラとした笑顔がたまらない。ライブを通してはもちろん、1曲の中にも存在する緊張と緩和が、ファンの心を揺さぶり掴んで離さない。

 終演後に、この日は自分たちが目指すライブができたかコメントをもらうことができた。

NAOYA

NAOYA:仙台、大阪、福岡とやってきて、今日が東京だったんですけど……いろんなところに行くと、その土地ごとに反響も違って。東京はホームなので、より楽しみにしていたんです。その楽しみにしていた気持ちは、ちゃんと出せたかなと思います。課題はまだまだたくさんありますけど、楽しむ部分は達成できたかな。

REI

REI:会場の規模やステージによっても、MCもパフォーマンスも変わるんですけど。今日は大きめの会場だったので、それをより感じたし。どの場所、どの会場でも同じようにみんなを喜ばせることができるように心がけたいと改めて感じました。

TETTA

TETTA:ツアーで徐々に新曲を披露したり、新しいことをやることで、ツアーを通してまだまだだけど成長できたかなと思います。これからもっと上を目指せるように頑張りたいです。

KOHKI:今日は、MCも慣れてきたというか、緊張もほぐれて自分たちらしさがより出せたかなと思います。自由な感じで、自分たちとしても楽しくできたので、今日のこの気持ちを忘れずに、これからも頑張っていきたいです。

NAOYA:そだね〜(笑)。いや、そうじゃなくて。僕たちのモットーとして、MCでは素を出すというのがあって。会場が大きくなると曲数も増えて、曲を聴かせる時間が長くなっていくものだけど、僕たちは、そこを変えずに今まで通りMCはロングトークで面白い部分を届けて、パフォーマンスでは格好いいところを届ける。それは、これからも変えずにやっていきたいですね。さとり少年団との2マンも控えていますし、夏にシングルのリリースも決まっています。今後の僕たちに、期待していてください!

KOHKI

(文=榑林史章)

オフィシャルサイト

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる