ONE OK ROCK、国内での人気はもはや敵なし 4大ドームツアーで宣言した“第2章への道”

ONE OK ROCK、4大ドームツアーレポ

 ONE OK ROCKが、全国ドームツアー『ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR』を3月31日から4月22日にかけて開催。この一環として4月4日、5日には初の東京ドーム公演も行われた。本稿ではこのうち、4月4日公演について記す。

 2017年1月に最新アルバム『Ambitions』を発表して以降、国内外で精力的にツアーを行ってきたONE OK ROCKだが、バンドにとって初の国内ドームツアーをもって、1年以上にわたり続けてきた『Ambitions』を携えたツアーを締めくくる。東京公演の会場に選ばれた東京ドームには、若い世代のみならず幅広い年代のファンが集結し、場内は開演前から熱気に包まれていた。

 暗転と同時に大歓声が沸き起こると、ステージ両サイドにスクリーンの端からアリーナ中央まで延びた花道に向けて光が進んでいく。これにあわせてスモークが立ち上がり、来場時に観客に配られたリストバンドが光るなど、オープニングから派手な演出で会場を盛り上げる。会場の明かりが消え、スモークが収まり始めると、センター花道の先にTaka(Vo)の姿が。Takaに気づくと、場内は悲鳴にも似た大歓声が響きわたる。そんな中、Takaは「Taking Off」の一節をアカペラで歌い、そのままステージまで歩き出す。途中からToru(Gt)、Ryota(Ba)、Tomoya(Dr)がステージに現れると、4人がステージに揃ったところでオープニングナンバー「Taking Off」に突入。オーディエンスはサビの<I know, I know>で盛大なシンガロングを繰り返す。

 ヘヴィかつムーディーな「Taking Off」を経て、アッパーな「未完成交響曲」で場の空気は一変。観客の熱気はさらに高まり、アグレッシブなバンドのプレイに声援やハンドクラップで応えていく。さらにバンドは「キミシダイ列車」を立て続けにプレイし、Takaはステージ上を縦横無尽に走り回る。この冒頭3曲で、ONE OK ROCKは早くも5万人もの観客を手中に収めてしまった。改めてライブバンドとしての彼らの力量が伺い知れた瞬間だった。

 最初のMCでは、Takaが「このデカイ東京ドームで自分たちの音をかき鳴らして、この壁のどこかをぶっ壊して帰ろうと思います!」と力強く宣言。その言葉どおり、この日のONE OK ROCKは東京ドームという会場を今にも飛び出さんばかりの、攻めのプレイを連発。「Cry out」や「Clock Strikes」といった定番曲に、「Bedroom Warfare」「One Way Ticket」など最新作『Ambitions』収録曲を織り交ぜたセットリストでONE OK ROCKの“今”を提示してみせる。北米ツアーや今年初頭のアジアツアーを経て、さらにひと回り大きく成長したバンドの姿は、もはやドームという国内最大規模の会場すら狭く感じられるほど頼もしく見えた。と同時に、バンドにとって、そしてファンにとっても新機軸となった『Ambitions』という作品がリリースから1年を経て、ここまで受け入れられているという事実にも驚かされた。どの曲でもオーディエンスは大きな声で歌い、思い思いのアクションで感情を表現する。これこそが、『Ambitions』というアルバムでONE OK ROCKが求めた“答え”だったのではないか……この日のライブを観て、そう思わずにはいられなかった。

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 ライブ中盤では、アリーナ後方に設置されたサブステージにメンバーが移動。直前にスクリーンに流れた過去13年のライブを振り返る映像に触れつつ、4人が思い出話に花を咲かせる。そして「初心を振り返ろうと思います」という言葉とともに演奏されたのが、2007年にリリースされたメジャーデビューシングル「内秘心書」。アコースティックアレンジが施されたこの曲では、オリジナルバージョン以上に切なさが増し、バンドの表現力の豊かさを実感させられた。

 また、曲の合間にはミクスチャーロック路線だった2007年のシングル曲「努努-ゆめゆめ-」をさわりだけ演奏してファンを驚かせる場面も。その後は「ONE OK ROCKの歴史には欠かせない1曲」として名バラード「Wherever you are」で会場がひとつになり、さらにTakaのギター弾き語りによる「Last Dance」でサブステージでのパフォーマンスを終えた。

 再びメインステージにメンバーが戻ると、まずはTakaを除く楽器隊3人によるバンドセッションに突入。それぞれのソロプレイがフィーチャーされたこのパートでは各メンバーの力量の高さが伺い知れたはずだ。そこから「Deeper Deeper」で場内の熱気を高めると、続く「I was King」でのシンガロングで観客との一体感を高める。さらにMCではTakaが「これからのONE OK ROCKは、すごく険しい道に入っていくのではないか。俺ももうすぐ30歳。そろそろONE OK ROCKの第1章にピリオドを売って、第2章に突入する時では。俺たちには挑戦するか止まるかの2択しかない」と語ると、そこからToruのギターをバックに「Take what you want」を感情豊かに歌い上げるのだが、Takaの歌がエモーショナルさを増したクライマックスで歌と演奏が止まり、1分以上におよぶ静寂が突如訪れる。しかし、Takaは一切臆することなくこの静寂を存分に堪能してから、バンドの演奏とともに歌を再開させた。ドームクラスでこんな演出ができるなんて、とても自分に自信がないとできないのではないか……いや、その自信を掴むことができたからこそ、ONE OK ROCKは第2章に進むことを宣言したのかもしれない。

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