岸谷五朗&寺脇康文、サザン新曲「壮年JUMP」に感激「桑田さんの曲と歌詞はとんでもないマッチングをする」

岸谷五朗&寺脇康文、サザン「壮年JUMP」に感激

 7月7日の『ニッポンハム ムーンライト・ミーティング 桑田佳祐のやさしい夜遊び』(JFN系列38局ネット)は、事務所の後輩で関係の深い、俳優の岸谷五朗&寺脇康文がスペシャルDJに。「サザン40周年リクエスト祭り!!」と題して、名曲への思い入れを語る夜となった。

 岸谷&寺脇コンビが同番組に登場するのは、『サザンオールスターズ -LIVE TOUR 2015 「おいしい葡萄の旅」』開催中のタイミングで、出演した2015年以来、3年ぶり。現在、二人が主催する演劇ユニット「地球ゴージャス」がプロデュースする舞台『ZEROTOPIA』の大阪公演中で、「桑田さん!、私たち暇じゃないんですよ」(寺脇)と笑いつつ、「でも、久々にこのラジオに出て、出だしの(桑田の)トークを聴くとうれしいね」(岸谷)と盛り上がっていた。いずれ劣らぬ名優ふたりからのリスペクトが、桑田佳祐というアーティストの大きさを物語る。

 番組でオンエアされた楽曲はまさに二人ならではの選曲となった。中心になったのは、2004年、桑田が音楽を担当した地球ゴージャスの代表作のひとつ『クラウディア』ーー恋に落ちた男女の悲劇を通じ、戦争の愚かしさを伝えた舞台を彩った楽曲たちだ。

 40周年キックオフライブでも披露された「汚れた台所 (キッチン)」に、舞台で二人がデュエットした「Oh! クラウディア」、岸谷の登場曲で、寺脇が「すべてがカッコいい」と絶賛する「恋のジャック・ナイフ」、そして、寺脇と故・本田美奈子が歌唱し、感動を呼んだ「栞(しおり)のテーマ」ーー必ずしも舞台に絡めたリクエストだけでなく、リスナーがそれぞれに思い入れを語っており、世代も、好きになったシチュエーションもさまざまで、人の数だけ思いが乗った名曲たちだということが、あらためて伝わる。

 また番組後半には、8月1日リリースのプレミアムアルバム『海のOh, Yeah!!』(海の“オヤー”)にも収録される「FRIENDS」も流された。舞台『クラウディア』のために書き下ろされた同曲は、サザン史上最長、8分22秒の大作で、フル尺でのオンエアとはならなかったが、岸谷が「会議室で聴いたとき、焦った」と語るクオリティは、色あせることがない。舞台を観たファンは、エンディングの大合唱を思い出したことだろう。

 そして、“後輩”である以前に、サザンオールスターズの大ファンである二人のリクエスト曲も、それぞれ1曲ずつ流された。岸谷のリクエストは、『葡萄』の2曲目に収録された「青春番外地」。岸谷は「本当にこの曲がたまらなく好きで、聴くと居ても立ってもいられなくなって、飲みに行っちゃうんだな。『栞のテーマ』みたいな美しいメロディがある一方で、アウトローな桑田さんの曲も素晴らしい。みぞおちをえぐられるような名曲でございます」と語った。このエピソードを聴いて、バーで洋酒を傾けたくなったリスナーは少なくなかっただろう。

 一方、寺脇のリクエストは「チャコの海岸物語」。「夏に実家に帰ると、今は亡き親父がカラオケに行きたがって、スナックで歌わされていた。必ず最初に言うのが、“おいヤス、『チャコ』いかんかい”と。夏が来ると、パッと思い浮かぶ曲です。<心から好きだよ>を、スナックのママの名前にしてサービスしたりね(笑)」と、寺脇は懐かしそうに振り返る。時代を超えるサザンの名曲は、家族、友人、恋人など、今は離れてしまった人と人との思い出をつなぎとめるものにもなっているのだ。

 さらに、寺脇も出演している映画『空飛ぶタイヤ』の主題歌「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」にもリクエストが集まり、ふたりが桑田の歌詞について語る場面も印象的だった。寺脇によれば、「試写会で主演の長瀬(智也)くんと聴いたのだけど、長瀬くんはその日ずっと、『<寄っといで 巨大都市(デっかいまち)へ>って、そんなの絶対思いつかないっすよ……』って繰り返していた」とのこと、自身も作詞作曲を手がける長瀬に衝撃を与えていたという。このエピソードを受けて、岸谷は「桑田さんの曲と歌詞って、とんでもないマッチングをするじゃない。このメロにはこの言葉しかない、っていう。それが頭に飛び込んじゃうと、もう離れないんだよね」と分析していた。

 そして、先週の番組で初解禁された最新曲「壮年JUMP」は、今回もフル尺でオンエア。放送日の7日には、日本テレビ系の大型音楽特番『THE MUSIC DAY』で初演奏が披露され、すでにファンに愛される夏の一曲になっており、寺脇は「みんなが聴きたい、メジャーサイドのサザンだね。本当に素晴らしい」、岸谷は「辛いことが全部吹き飛ぶね」と興奮気味に語り、サイダーのような爽快さを味わいつつ、耳を傾けていた。

「三ツ矢andサザン2018『走り続ける情熱編』壮年JUMP(2018年) 」30秒

 来週14日も、引き続き二人のスペシャルDJによるリクエスト回となる。桑田の素顔を知り、ファンと思いを重ねる寺脇&岸谷のトークは、いつもサザンオールスターズを率いる桑田の魅力を再発見させてくれる。次週はどんなコンセプトで選曲がなされるのか、土曜の夜を楽しみにしよう。

(文=橋川良寛)

■radiko.jpタイムフリー聴取機能では、過去1週間以内に放送された番組を視聴可能
『ニッポンハム ムーンライト・ミーティング 桑田佳祐のやさしい夜遊び』

■関連リンク
サザンオールスターズ 公式サイト”sas-fan.net

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