超特急は“最高を更新”し続けるーーホスト務めた『“超”超フェス』2日間をレポート

超特急『“超”超フェス』レポート

 超特急をホストとするHMV presents BULLET TRAIN 6th Anniversary Special『“超”超フェス』が、8月8日〜9日に東京国際フォーラム ホールAで開催された。デビュー5周年を記念した昨年の第1弾は、同じ事務所の私立恵比寿中学などを招いたツーマンライブ×5日間連続という形で行われたが、今回は、8日にものまね界の大御所であるコロッケ、世界を股にかけ活躍するPUFFY、ソロ参戦するDAIGO(BREAKERZ)が、9日に結成30周年のファンクバンドであるFLYING KIDS、キャッチーな歌を聴かせるベリーグッドマン、人気J-POP DJのDJ和と、かなり意外性のある6組がそろった。先日の超特急インタビューで語られていたとおりの「化学反応がすごく楽しみ」(タカシ)な顔ぶれだ。この記事では上記の“超GUEST”たちと“超HOST”超特急のコラボ曲や、超特急のステージを中心に振り返っていきたい。

 初日となった8月8日は、超特急にとっては特別な“8号車(超特急ファンの愛称)の日”であり、記念すべき15枚目のシングル『Jesus』の発売日。ロビーにはレトロな屋台が並び、御輿やチンドン屋が練り歩き、ステージには“超特急”の文字入りの提灯をあしらった大きなやぐらが設けられていて、会場はテーマである夏祭りムード一色だ。そんな2日間が、テンション高めな超特急の新曲「SAIKOU KOUSHIN」(『Jesus』超超フェス盤に収録)でスタートした。

 “対バン”をテーマにメンバー全員で作詞に取り組んだという同曲。歌詞やサウンド面も熱くて勢いがあるのだが、TAKAHIRO(世界的なダンサー/振付師)による振付にも、タカシが逆さ吊りになるパートや野球やサッカー、ボーリングのファインプレーをモチーフにしたコミカルな動きなどが組み込まれており、のっけから異様なテンションの高さを見せ付けた。MCでは「どんな夏祭りも超えるライブに」(タクヤ)という宣言も飛び出した。

 1組目の“超GUEST”DAIGOは、今回のテーマに合わせた和テイストのヘアメイク&衣装で登場。超特急にならったオリジナルの自己紹介口上や自身が出演するセイバンの『天使のはねランドセル』のCMソングを披露するなど、エンタメスピリッツ全開のステージで8号車を大いに盛り上げた。さらに「超特急の曲が好きで、時々リハーサルで演奏することも……」と、サプライズで超特急随一のハードなナンバー「Beautiful Chaser」をカバーした一幕では、貫禄もしっかり見せ付け8号車の拍手喝采を浴びていた。

DAIGO
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 DAIGOと超特急は昨年BREAKERZ主催の『BREAKERZ10周年10番勝負 -VS-』で共演しているが、その際に超特急をイメージして作ったというロックンロールナンバー「恋のスーパーエクスプレス」をこの日も披露。超特急のメンバーも参戦し、DAIGOのパフォーマンスをモチーフにした動きやDAIGOとの“連結”パフォーマンスを繰り広げたり、タカシもDAIGOとのツインボーカルで会場を沸かせた。「今日は“CRO”……超特急、6周年おめでとう!」とDAIGOらしく結んで、次のコロッケにバトンを渡した。

 続いて「今日のコロッケはいつもと違うよ~!!!」と、ダンサーを従えて登場したコロッケ。「R.Y.U.S.E.I.」(三代目 J Soul Brothers)や「FANTASTIC BABY」(BIG BANG)「Choo Choo TRAIN」(EXILE)と、電車をモチーフにしたダンス&ボーカルグループであり、K-POPを愛するメンバーを擁する超特急をイメージした選曲をメドレーで披露。それぞれ時間は短いのだが、ものまねしながらランニングマンなどの振付をしっかり踊っていたのにも驚かされた。また超特急からのリクエストに応じて、代表的な持ちネタのひとつである“五木ロボットひろし”も披露していたが、これも本格的なアニメーションダンスやポップダンスの要素を取り入れた難易度の高いパフォーマンスで、世代やジャンルを超えてインパクトを感じさせるものだったと思う。

コロッケ
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 さらにコロッケによるものまね講座では、ドナルド・ダックの物まねをタカシがいち早くマスター。初歩的なヘリコプターの離陸音などに挑戦した際には、カイがアドリブで花火の音を入れるなど意外に健闘していた。ラストには超特急も参加して北島三郎の「祭り」のダンスバージョンで大盛り上がりに。「これが超特急祭りだよ~!!!」とこぶしをきかせて締めくくっていた。

 続くPUFFYも超特急とは初共演。MCでは「今回はなんで私たちを呼んでくださったのか……」(吉村由美)といぶかしげだったが、この日のオープニングでリョウガやタカシが「(アニメ)『ティーン・タイタンズ』の主題歌の人たちですよ」と話しており、子供の頃にPUFFYの楽曲にふれていたという縁もあったよう。「アジアの純真」など往年のヒット曲で、序盤から8号車もヒートアップ。

PUFFY
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PUFFY
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 「愛のしるし」には、リリース当時の大貫亜美と由美のコスプレ(?)をした超特急が登場。PUFFYとともに同曲のキュートな振りを踊りつつ、先ほどのコロッケに触発されたのかユーキがランニングマン、リョウガはギターソロに合わせてギターを弾くポーズを盛り込んだりとアドリブ満載で盛り上げていた。ラストの「渚にまつわるエトセトラ」では、8号車もみんなでサビの振りを踊るなど、和やかなムードでステージが終了。

 そしてここから“超HOST”超特急のステージへ。1曲目「Kiss Me Baby」では、「路地裏でキスしよ?」(ユーキ)、「浴衣姿かわいいじゃん!」(ユースケ)、「花火よりキミがキレイだよ」(カイ)と、夏祭りテイストにアレンジされた曲中のセリフ部分に黄色い悲鳴が上がっていた。2曲目の「Booster」は音源化されていない新曲で、ダンサー全員がアグレッシブなラップを披露するというのもポイント。しなやかな動きの中に超特急ポーズやユーキのアクロバットなどが盛り込まれたダンスも特徴的だ。こういったスタイリッシュな楽曲では、タクヤのクールな表情がひときわ映える印象だ。

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 ニューシングルのタイトル曲「Jesus」では、くるくるとテイストを変えるサウンドやダンスに合わせ、メンバーも笑顔やヘン顔、キメ顔と表情にもメリハリを付けていたが、こういった部分に役者も兼ねるメンバーを含む超特急ならではのカラーが強く出ていたようにも感じた。続く同シングル収録の「超越マイウェイ」については先日のインタビューでメンバーも語っていたが、ゆるい歌詞やサウンドに、世界的に活躍するs**t kingzのkazukiによる密度の濃い振付という“フェイント感”を楽しむ楽曲。音からは想像できないほどの運動量の多さにも驚かされた。メンバーがかわるがわるドナルドのまねを入れていた本編ラストの「超えてアバンチュール」では、ユーキが「お前ら! まだまだ恥じらいあるんじゃねえの!?」という熱い叱咤激励を浴びせつつ、約5,000人と一斉にヘドバン。この日もっとも爆発的なステージングを見せていた。

 アンコールでは「SAY NO」「Burn!」とギターサウンドをフィーチャーしたハイテンションな楽曲を連発。ラストの「浮つきWAVES」では超GUESTたちも全員ステージに登場し、超特急手ぬぐいを回して楽曲に参加。落ちサビで「捧げろーーー!!!」(ユーキ)の合図でゲストも一丸となってヲタ芸風に歌うタカシを盛り上げるという絵面が、この日一番のインパクトを残していたように思う。

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