EXILE AKIRAが明かす、自叙伝『愚者の魂』に込めた思い 「苦労の先にそれぞれの道がある」

EXILE AKIRA『愚者の魂』トークショー

 EXILE AKIRAが初となる自叙伝『THE FOOL 愚者の魂』を、自身の37歳の誕生日である8月27日に刊行したことを受けて、9月2日に池袋コミュニティ・カレッジにてファン150名限定のトークイベントを開催した。

EXILE AKIRA『THE FOOL 愚者の魂』(毎日新聞出版)

 『THE FOOL 愚者の魂』は、AKIRAが「絶対に戻りたくない」という過去を振り返り、その手痛い失敗や過ちの数々を、正直な言葉で明け透けに綴った一冊だ。同時に、これまで自分を支えてきてくれた家族や仲間、ファンたちへの深い感謝と、約2年半ぶりに再始動したEXILEに対しての「決意表明」を述べた本でもある。これまで表には出してこなかった意外な事実も多く記されており、AKIRAの知られざる一面をうかがい知ることができる内容に仕上がっている。

 トークショーの前に行われた記者会見では、とある記者からの提案がきっかけとなり、自叙伝を書くことになったことを明かすとともに、「37歳という人生の折り返し地点で、これまでの半生を綴ることで、自分を見つめ直すことに繋がると思った」と語り、書籍のタイトルについては、「半生を振り返ると、“賢者”よりも“愚者”の方が自分には合っていると思った。泥臭く不器用に、自分の道を歩んできた」と述べた。

 また、本書を著したことについて、メンバーからはどんな反応があったのかを聞かれると、「HIROさんから、『本能で読みたくなる本』という言葉をいただきました」と語りつつ、「今の自分のダメなところ、ネガティブな部分も書いているので、(メンバーやファンには)AKIRAの“トリセツ”のように読んでもらたら」と希望を述べた。LDHに携わるきっかけを与えてくれたEXILE MAKIDAIとEXILE ÜSAについては、「(本書の中で)一番濃密に記させていただいた。二人との出会いはある意味、ストリートドリームのように語らせていただいているけれど、そのドラマは一言で言い表せないほど深いものがあった。読んでもらえれば、なぜ僕がこれほど皆さんを尊敬しているのかが伝わると思う」と語った。

 トークショーでは、本書のディティールへのこだわりも明かしたAKIRA。「小学生の時に読書感想文で金賞を取ったことがある」というAKIRAは、LDHに加入してからは一人称を“俺”から“僕”に変えるなど、文体のニュアンスでも心境の変化を表現するように心がけたという。また、タイトルの「愚者」は、タロットカードのゼロ番からもインスピレーションを受けていて、型にはまらずに自ら道を切り拓くという意味合いがあることを説明した。

 一方、高校入試で「世界で一番長い川は?」という問題に「利根川」と回答したことなど、過去のおもしろ失敗談を明かして会場を笑わせる一幕も。右も左もわからずに上京してきて極貧の日々を送っていた頃、パン屋でタダでもらった賞味期限切れの食パンの白い部分を「トロ」と呼び、大事な夕飯にしていたことを明かした際は、会場が爆笑に包まれていた。また、数多くのアルバイトを経験していたことに話が及ぶと、AKIRAはドレッドヘアーで宅配ピザのバイトをしていたことにも触れて、配達先のお年寄りに「毛糸つけてんのかい?」と聞かれたことなどを冗談交じりに話した。

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