高橋優のソングライター人生に休止はないーー“再出発”の決意を見せた横浜アリーナ公演振り返る

高橋優、横浜アリーナ公演レポ

 3月3日、横浜アリーナで高橋優を観た。昨年10月に発表されたアルバム『STARTING OVER』は、高橋の原点に立ち返った会心の一作で、ツアーへの期待はいやがうえにも高まる。今回で2回目となる横浜アリーナ2DAYSは、決まった時から非常に楽しみにしていたという思い入れある場所だ。初日の土曜日も素晴らしかったと聞く。今日は2日目、開演は15時、満員の観客の期待を乗せて幕が上がる。

 ドラマチックなオープニング映像、煌めく電飾、高鳴る音楽が一瞬でカットアウト。スポットライトに浮かび上がる、アコースティックギターを抱えた男の姿に大歓声が飛ぶ。強力なバンドサウンドが炸裂する1曲目「ルポルタージュ」から、トップギアで一気に飛ばす、攻撃的オープニング。アコースティックファンクにラップ調の歌唱を乗せた「ストローマン」から「太陽と花」へ、真っ赤に染まる照明が興奮を煽る。スクリーンに映る歌詞を皆が歌う、会場全体を巻き込む一体感が凄い。

「会いたかった横浜! スタンドの後ろまで歌が届くように、精いっぱい歌います」

 最初のMCから饒舌に、アルバムに込めた思いを長く語ったのは、表現したいことが溢れ出して止まらないから。STARTING OVER=再出発という言葉に込めた思い、それは自分一人ではできないということ、明日からの日々が楽しみで仕方なくなるような、最高の時間を今日は過ごしたいこと。熱い思いを乗せて「美しい鳥」から「aquarium」へ、アコースティックギターを掻きむしるように激しく歌い、さらに加速して「STARTING OVER」へ。〈何度でもまた走り出せ――〉。そう歌う言葉が、続く「羅針盤」の〈今ここから始められるよ〉という歌詞と響き合う。高橋優が掲げるメッセージにブレはない。

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