East Of Eden、草野華余子により引き出された真骨頂 個性を爆発させながら強固なバンドへ

East Of Eden×草野華余子 対談

 昨年10月に初ライブを行い、12月にデビューを果たした、Ayasa(Vn)を中心とする5人組ロックバンド East Of Eden。彼女たちの2024年最初の新曲であり、テレビドラマ『御社の乱れ正します!』(BS-TBS)主題歌に起用されているのが「Judgement Syndrome」だ。作詞作曲は草野華余子。もともと湊あかね(Vo)の大ファンでもあったという草野は、East Of Edenからの書き下ろしオファーを二つ返事で承諾したそう。「Judgement Syndrome」は、そんな草野のディレクションを通して、演奏・歌唱面におけるEast Of Edenのバンドとしての魅力が一層強く引き出された楽曲と言えそうだ。同曲の制作過程や、6月の『East Of Eden 1st Live Tour - Forbidden Fruit -』に懸ける想いに至るまで、Ayasa、湊、草野にたっぷり語ってもらった。(編集部)

“相思相愛”だったEast Of Edenと草野華余子

――3月19日にZepp Haneda(TOKYO)で開催された『East Of Eden - World Premiere Special Showcase - [Encore]』は、昨年10月の1stライブ以来5カ月ぶりのステージでしたが、バンドとして2回目のライブとは思えない仕上がりぶりに驚きました。

Ayasa
Ayasa

Ayasa:ありがとうございます。演奏面に関しても前回の反省点を踏まえて臨んだので、より洗練された感があったかもしれません。

湊あかね(以下、湊):ステージセットも前回以上に豪華にしていただいて、だいぶ違った印象を与えられたのかなと。個人的にも、1stライブのときはステージ上を動き回ることが多かったけど、今回はちょっと抑えめにして。ドシっとした姿勢で臨みました。

Ayasa:やっぱり1stライブって新鮮だったじゃないですか。先日のアンコール公演はセットリストが大きく変わるわけでもなかったので、前回より失速してしまうんじゃないかと心配だったんですけど、そこに草野さんが書いてくださった新曲「Judgement Syndrome」が加わることでキュッと締まった感があって。かつ、前回はお客さんも「Evolve」1曲しか知らない状態だったところ、今回は直前に映像作品もリリースされたので、私たちも変わったけどお客さんもすごく変わった状態だった。そういうケミストリーを感じたライブでした。

――今おっしゃったように、ライブのアンコールでは新曲「Judgement Syndrome」がテレビドラマ『御社の乱れ正します!』の主題歌になることをアナウンスして、同時に初披露もされました。

Ayasa:関係者席の一番目立つところに、ドラマのスタッフさんが並んで観ていたんですよ。

湊:あのライブで一番緊張した瞬間でした(笑)。

草野華余子(以下、草野):わーっ、それは緊張する(笑)!

湊:「これは絶対に間違えちゃいけない!」って、すごい圧を感じながら歌いました(笑)。

Ayasa:お客さんはそんなことを知らないからね。

――このインタビューでは「Judgement Syndrome」を軸に、どのようにしてEast Of Edenと草野さんのコラボが実現したのかを伺っていきたいと思います。ドラマのお話と草野さんへのオファーは同じタイミングに決まったことだったんですか?

湊あかね
湊あかね

Ayasa:1stミニアルバム『Forbidden Fruit -1st piece-』を経て、もっと広がりを出したいなと思っていたタイミングに、「せっかく女性メンバーが集まったバンドなので、女性の作家さんに曲を書いてもらいたいね」という話がメンバーの中で挙がっていたんです。それとほぼ同じタイミングに、East Of Edenというバンドのことをすでに知っていたドラマのプロデューサーさんから、「強い女性が悪を裁いていくというドラマのストーリーに、強い女性たちが集まったEast Of Edenがすごく合うんじゃないか」ということでお声がけいただいて、本当にたまたま奇跡的に2つのタイミングが合致して。女性作家さんにお願いしようと最初に決めた時点で、まずは草野さんにオファーしてみようと話していたんです。草野さんは誰もが知っている――。

草野:とんでもない! 恐れ多いです(笑)。

Ayasa:(笑)。すごく強い女性の歌をご自身でも歌われ、恋愛ソングでも攻めていくような楽曲を作られているイメージがあったので、一方的にEast Of Edenにも合うと思って、今回オファーさせていただきました。

――草野さんはバンドのこと、メンバーの皆さんのことはそれ以前から知っていたんでしょうか?

草野:私、East Of Edenが昨年8月に結成を発表したときに「私に曲の依頼こないかな?」って即座に思うぐらい、このバンドに曲を書けたらと思っていたんです。その大きな理由としては、私がprediaのライブに通っていたオタクで、あかねちゃんの大ファンだったから(笑)。

――なるほど!

草野:Jazzin'parkさんのプロデュース曲が入っていたpredeiaのアルバム『ファビュラス』(2018年)を聴いて「すごく発声のいい人がいるな」と思っていたら、それがあかねちゃんで。でも、コロナ禍に入ってなかなかライブに行けなくなっている間にprediaが終幕してしまって、ラストライブも仕事が被って行けなかったんです。そうしたら、あかねちゃんが活動再開すると。しかもMIZUKI(Dr)ちゃんはもともとバンド界隈で知り合いだったし、Ayasaさんは私が書いた「紅蓮華」(LiSA)をよくバイオリンで弾いてくださっていたり。そんなメンバーが揃ったバンドが始動したと知って、「曲書きたい!」って周りの友人作家に漏らすぐらいだったんです。で、あるライブの楽屋で私のスタッフから「華余子さん、East Of Edenっていうバンドから楽曲制作の依頼がきていて」と言われて、「East Of Eden? 本当に!? それだけは断ったらダメ!」と即答して(笑)。ガッツポーズでオファーを受けました。

――草野さん的には「待ってました!」というオファーだったわけですね。

草野華余子
草野華余子

草野:はい。これまでも自分が好きな方、例えば西川貴教さんに楽屋でお会いしたときにデモ音源をお渡しして後々楽曲を使っていただけたり、結構ロビー活動的なことも自発的にやってきた中で、East Of Edenとは直接的なつながりがないような状態だったから、先方からお話をいただけるとは思っていなくて。「これは夢か!?」と渋谷のライブハウスの楽屋で叫びました(笑)。

Ayasa:私たちもそんなことになっているとは全く知らなくて。

草野:きっとおふたりとも、私がここまで前のめりだと思っていなかったんじゃないかな。最初の打ち合わせから私、3時間くらいひたすら喋り続けていましたから(笑)。

Ayasa:草野さんをお呼びしたときには、ドラマのタイアップがまだ決まっていなかったんですけど、曲を書いていただく直前にその話がきて。ドラマの内容と相まって、絶対に化学反応が起こるはずだと思っていました。

――バンドとしても次の一手をどうするか、重要なタイミングだったと思います。そこで草野さんとのコラボが決まり、かつドラマのお話があった。いろんな点と点がつながった、絶好のタイミングだったわけですね。

Ayasa:そうなんです。しかも、せっかく草野さんに曲を書いていただけるのであれば、私たちとしてもただリリースしてライブで演奏するよりも、こういうタイアップがある形でお願いできたのはよかったなと思っています。

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