青文字系モデル・青柳文子が恋愛群像劇『知らない、ふたり』に出演して気づいたこと

青柳文子、『知らない、ふたり』を語る
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青柳文子

 映画『サッドティー』などの作品で海外からも注目されている今泉力哉監督の最新作『知らない、ふたり』が、1月9日より新宿武蔵野館ほかで順次公開される。韓国アーティスト・NU'ESTのメンバーであるレン、ミンヒョン、JRのほか、日本からは10才から映画界で活躍する韓英恵、人気青文字系モデルの青柳文子、独特の存在感で映画ファンから注目される芹澤興人、実力派女優として評価される木南晴夏が参加し、日韓の枠を越えた恋愛群像劇となった本作。レン演じるキム・レオンに思いを寄せる女性・小風秋子を演じた青柳文子に、現場の模様や今泉監督作品の魅力、自身の恋愛観まで語ってもらった。

「片思いで、いつも追いかけていたいんですよ」

ーー今作『知らない、ふたり』は、今泉監督らしい繊細な恋愛群像劇でした。青柳さんはこれまでも今泉監督作品に出演していますが、今作はどんな印象でしたか?

青柳:今作でもまた、今泉さんはご自身の世界観を深めているな、という印象でした。こうしたオフビートな作品を商業映画でやろうとするところが、すごく今泉さんらしいし、恋愛の機微を描いていくところも、いままでの作品の延長線上にあるのかな、と。ただ、今回は韓国の俳優さんたちが参加していて、そこが大きく違いましたね。脚本を見せていただいた段階で、「韓国語しゃべれる?」と訊かれたんですけれど、ぜんぜんしゃべれないって応えたら、あまりしゃべらない役柄になっていて、そこは少し面白かったです(笑)。

ーー監督はどんな人柄の方でしょう。

青柳:わたしの周りは変わった人が多いので、それほど気にはならないけれど、とても繊細な方だとは思います。すごく優しくて、気遣い屋で、知識豊富で、おしゃべり上手で、とても魅力的な方です。少し猫背なところも、親しみやすくて好感を抱いています。キリスト教徒だからか、考え方も慈悲深くて、不思議なオーラを放っている人です。

ーー現場ではどういったやりとりを?

青柳:あまり細かい指示を出す方ではないですが、シーンの状況などはピンポイントでしっかりと教えてくれます。「こういう状況でこういう風に言われているから、こういう気持ちで応えて」という感じで、演技に関しては比較的、自由に考えて動いている部分も少なくないですね。ただ、恋する相手をみつめるシーンなどは、「もっと好きって気持ちを込めて」って言われました(笑)。

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ーーたしかに、青柳さんの“恋する目線”は、記憶に残るものがありました。

青柳:みなさん、そういう風に言ってくださいます。ただ、自分で映像を観た時は「あんな目で見ていたなんて!」って、なんだか気恥ずかしさを覚えて、見ていられない気分でした。ちょっと気持ち悪くないですか?

ーー気持ち悪くはないですよ(笑)。でも、本当に恋をしているような眼差しでした。

青柳:相手のレオン役を演じたニューイーストのレンさんは、実際にアイドルでカリスマオーラがある方なので、感情移入はしやすかったです。自分とは違う世界に生きる人という感じで、憧れを抱きやすいというか。キラキラした王子様に憧れる気持ちというのは、わたしももちろん理解できるので、役に入りやすかったかも。

ーー青柳さんが演じる小風は、おとなしそうに見えて積極的な面もありますよね。レオンが帰宅するのを付けてみたりとか。

青柳:わたし自身は、あまり行動に移すタイプではないと思うんですけれど、結局のところ、相手に思いを伝えないというところは、似ているかもしれません。もっとも、わたしの場合は単純に伝えられないだけで、小風の場合はあえて伝えないのかもしれないけれど。たぶん彼女は、相手に自分の気持ちを伝えることで、いまの状況が壊れてしまうのは嫌なんだと思います。自分のことなんか気にも留めない相手だからこそ、憧れを抱いているというか。もし自分が気持ちを伝えて、相手が振り向いたとしたら、それはそれで冷めてしまうタイプなのかなって。なかなか複雑なタイプですよ(笑)。

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ーー小風のそういう性格は、演じる中でそう感じたのですか?

青柳:そうですね。もともとそういう設定だと言われているわけではないです。ただ、演じていて、「きっとそうなんだろうな」という確信のようなものはありました。今泉監督自身も、そういうところがある人なので。ウディ・アレン監督は「私を会員にするようなクラブには入りたくない」という格言を残していますが、たぶん、今泉さんも同じような考えを持っていると思います。片思いで、いつも追いかけていたいんですよ。

ーー青柳さん自身も、そういう考えを持っている?

青柳:多少はありましたね。小学生くらいの頃なんかは、好きな人を追いかけて、でもいざ相手にも好きって言われると、その瞬間に嫌いになっちゃったりして。大人になってやっと、「自分みたいな人間を好きになってくれてありがとう」って、素直に思えるようになったかも。

ーーなんだか猫みたいですね。逃げると追うけれど、追われると逃げる。

青柳:もちろん、いまはそんなことないですからね(笑)。

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