『スーサイド・スクワッド』ハーレイ・クイン役でブレイク! マーゴット・ロビー、成功への軌跡

マーゴット・ロビー、成功への軌跡

 髪はプラチナ・ブロンドのツインテールで、右はピンク、左はブルーのメッシュ。レザーの超ミニなホットパンツに網タイツといういでたちで「GOOD NIGHT(死んじゃえ♥の意)」と印字した金属バットを振り回し、男たちを殺しまくる。DCコミックスの悪党たちがチームを組むアンチヒーロー・アクション『スーサイド・スクワッド』で、史上最強の“悪カワ”ヒロイン、ハーレイ・クインを演じているのが、オーストラリア出身の美人女優マーゴット・ロビーだ。アメリカでは映画が8月に公開されるや、ハーレイ・クイン旋風が巻き起こり、IMDB(インターネットムービーデーターベース)のスターランキングでは上位5に入るほどの注目を集めている。

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 1990年生まれの26歳。アメリカに渡ってわずか4年でブレイクを果たしたマーゴット。いわゆるハリウッド・デビューとなったのは、連続ドラマ『PAN AM/パンナム』で、主演のクリスティーナ・リッチの脇で、スチュワーデスのひとり、ローラを演じていた。劇中では、ローラがヌード写真を撮ったことが問題になるなど、当時から脱ぎっぷりの良さも目立っていたが、その時点では、毎年のようにドラマで出てくる典型的なブロンド・ガールという印象。やはり、マーゴットの名前がネクスト・ブレイク・スターとして認知されるようになったのは、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でレオナルド・ディカプリオの妻を演じてからだろう。

 この作品では、もともと女優としてはぽっちゃりめのマーゴットがシャープに体を絞り、予定にはなかったヌードシーンもみずからマーティン・スコセッシ監督に申し出たとか。まさにバービー人形のようなパーフェクトなブロンド美女となり、ディカプリオ演じるジョーダンがみずからの成功の象徴として狂おしいほどに求める女神のような妻ナオミを演じている。余談だが、スコセッシは20年前に『カジノ』で当時を代表する金髪セクシー女優、シャロン・ストーンをロバート・デ・ニーロ演じる主人公の妻役に抜擢している。歴史は繰り返すのだ。

 そして、ウィル・スミスと共演したコン・ゲーム(詐欺師)もの『フォーカス』では、ウィル演じる天才的な詐欺師ニッキーと恋に落ちる女スリ、ジェス役に。こちらではさしずめボンドガール的な役割で、ビキニ姿になったり真っ赤なカクテルドレスを着たりと、展開上はまったく無意味なお色直しに忙しい。マーゴットは、このジェス役のオーディションに旅行先から急きょ帰国して参加したというが、ボロボロのノーメイク姿でも、ウィル・スミスも監督たちも「彼女しかいない」と即決したという。ウィルを相手にしても、ものおじしない度胸の良さが買われたのだ。映画としては評判にならなかったが、マーゴットにとってはここでハリウッドの大物、ウィルに気に入られたことは多かった。そのウィルと再び共演した『スーサイド・スクワッド』は、オーディションなしでのご指名だったそうだ。

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 しかし、『PAN AM/パンナム』からマーゴットをウォッチしてきた筆者としては、『フォーカス』の時点でちょっと心配になってきていたのも事実。このマーゴットちゃんはこのままずっとお色気路線の金髪ギャルとしてキャリアを積むつもりなのだろうか? 常に露出度は高いものの、彼女の度胸の良さとあっけらかんとした性格がかいま見えるので、同性としても嫌な感じはしない。しかし、時代は金髪セクシー美女より黒髪知性派美女。ジョージ・クルーニーもジョゼフ・ゴードン・レヴィットも、結婚相手には黒髪のキャリア女性を選んだ。ジェニファー・ローレンスも『ハンガー・ゲーム』などでは髪を黒くし、ブレイク。そういう時代の流れを考えるとどうなのか? と余計な心配をしていたところ、2015年度アカデミー賞候補作『マネー・ショート 華麗なる大逆転』で、また彼女を見かけた。難しい経済用語が飛び交うこの映画で、「サブプライムローンとは何か? かわいこちゃんが説明する」というノリの解説シーンに、セレーナ・ゴメスと共に選ばれて登場。裸でバブルぶくぶくのお風呂に浸かりながら、セクシーに経済用語の意味を教えてくれていた。「ああ、マーゴット、またしても“水着枠”…」と、がっかりしてしまったことを告白しておこう。ちなみに『マネー・ショート~』は挑戦的な内容を評価したい映画だが、フェミニズム的に見て、こういった女優の使い方はいただけない。

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