『ラブホの上野さん』の恋愛テクは真似ると危険!? “ダブルバインド”の有用性を考える

本郷奏多&柾木玲弥、ハマリ役のワケ

 フジテレビ系列で水曜深夜に放送されているドラマ『ラブホの上野さん』。なかなかインパクトの強いタイトル通り、ラブホテル“五反田キングダム”を舞台に、そこに勤めるサディスティックな年齢不詳の店長“上野さん”が、モテない新人アルバイトの大学生・一条に心理テクニックを用いた恋愛指南(端的に言えば、いかにして女性をラブホテルに誘うか)をしていくドラマなのである。

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 本作の基になっているのは、2014年ごろにツイッター上に登場した“上野 ラブホスタッフ”というアカウントだ。都内のラブホテルに勤めているという“上野さん”が、知っていそうで知らないラブホテルの裏事情や小話から、恋愛に関するアドバイスまで、ユーモラスに伝えるそのアカウントは大きな人気を博し、現在ではフォロワー数が22万人を超えている。

 そのアカウントに端を発し、アカウントの登場から半年ほどで『月刊コミックフラッパー』において漫画版『ラブホの上野さん』が連載開始。1話完結の物語の中で、上野さんが街で見かけた男性たちに様々なテクニックを紹介していくのである。そして必ず最後にはさりげなく、「成功の際は当ホテル、五反田キングダムをご利用ください」という決めゼリフとともに、ホテルのカードを渡すのだ。もはや恋愛テクニックよりも巧みな営業テクニックに目が行ってしまう。

 この上野さんという特徴的なキャラクターを、ドラマでは本郷奏多が演じる。改めて見てみると、漫画の上野さんのルックスは、本郷によく似ている。年齢不詳で清潔感があり、育ちが良さそうでいて、頭も切れる。それだけではなく、サービス業に従事する者として必要な、おもてなし感溢れる“執事”のような振る舞いも実に様になっている。

 一方で上野さんとは対照的な一条の役には、2009年のジュノンスーパーボーイコンテストで審査員特別賞に輝いた柾木玲弥が配役されている。昨年の映画『ライチ☆光クラブ』での眼帯をつけたダフ役を始め、いわゆるイケメン俳優の枠に収まらない踏み込んだ役柄を演じてきたことが多いだけあって、空気が読めない愚鈍な男子大学生像も妙にハマっているのが面白い。

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 そして何と言っても、劇中に登場するテクニックの数々は、とくに男性視聴者にとっては必見である。何故必見なのかは後述するとして、漫画と同様にドラマでも第1話で取り上げられた“ダブルバインド”というテクニックをもう一度振り返ってみよう。

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