新田真剣佑、役者として“あらた”なステージへ 『ピーチガール』で見せた誠実な演技

新田真剣佑は“あらた”なステージへ

 今をときめく若手俳優の仲間入りをすっかり果たした、俳優・新田真剣佑。父親はかの有名な千葉真一、生まれはサンタモニカ、高校はビバリーヒルズという絵に描いたようなサラブレッドだ。さらに特技の空手はLA空手大会で優勝、レスリングは高校代表、乗馬やピアノ、フルートも嗜むという文武両道となれば人気がでるのも当然といえる。そこに、“容姿端麗”という要素も加われば尚更だ。

 5月22日には業務提携をしていた浅井企画から株式会社トップコートに移籍し、「新田真剣佑」と芸名を変更。人物像、出演作、俳優としての活動方法など……話題に事欠かない人物である。今回は、そんな新田真剣佑の演技について注目してみたいと思う。

 新田真剣佑の演技を一言で言い表すと、「カメレオン」ではないだろうか。2013年、アメリカのショートフィルム『SPACE MAN』の主役を務めて以来、数々の作品に出演。2014年から日本で活動を開始し、作品数こそ多くないものの演じてきた役柄は幅広い。

 たとえば、現在公開中の映画『ピーチガール』では真面目で硬派な爽やか男子・とーじこと東寺ヶ森一矢を好演。Hey! Say! JUMP伊野尾慧演じる主演のチャラモテ王子・岡安浬とは真逆のキャラクターである。作中、安達もも(山本美月)にちょっかいをかけていると思い、岡安浬を呼び出して話をするシーンではまっすぐな目をしてキャラクターの誠実さを表現している様子が見て取れた。笑顔よりも、真面目な表情が印象的な役柄だ。

 昨年大ヒットを納めた映画『ちはやふる-上の句-』『ちはやふる-下の句-』では幼少期からかるたが大好きな大人しい少年・綿谷新を熱演。『ピーチガール』の東寺ヶ森一矢よりも素朴で大人しく線の細いキャラクターで、時折オドオドしたような表情を見せる高校生である。新田真剣佑はそんな綿谷新を演じるにあたり、ゆっくりと穏やかな台詞回しをしたり、目を泳がせたり曇らせたりしながら、原作のイメージに近いキャラクターに仕上げていた。

 どちらかというと、爽やかキャラや真面目キャラが得意かと思いきや、2016年7月期に放送されたドラマ『仰げば尊し』(TBS系)では、木藤良蓮という不良役も演じている。いわゆる喧嘩っ早い不良ではなく、比較的精神年齢が高くて冷静沈着なタイプだったが、時々見下したような笑い方をしたり、相手を睨みつけたり、仲間を守るためにケンカをしたり……、不良らしい一面もチラつかせていた。アクションができるだけあって、ケンカシーンは迫力満点だ。こういった体を使った演技ができるのも、新田真剣佑の強みではないだろうか。

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