2017年の夏は「洋画の夏」?  スパイダーマンは怪盗グルーからバトンを引き継ぐか?

2017年の夏は「洋画の夏」?

 『トランスフォーマー/最後の騎士王』と『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』。今年のサマーシーズンを代表する、洋邦のエンターテインメント大作の公開日と重なった先週末の動員ランキング。しかし、それでも他の作品を寄せつけず、これで3週連続の1位となったのは『怪盗グルーのミニオン大脱走』だった。週末2日間の動員30万3825人、興収は3億7573万9700円。累計では早くも動員263万2636人、興収31億289万9500円を記録。ウィークデイも夏休み中の子供たちを集めて相変わらず好調で、ロングヒット間違いなしの状況となっている。この夏、今のところ最大のヒット作は『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(先週末は9位。累計興収約58億円)だが、その両作品の間での最終興収60億を超えるハイレベルな「夏の覇者」争いになりそうだ。

 この夏の興行を一足早く振り返ってみると、7月の第1週に『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』が初登場1位になって以降、7月第3週に『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』が1週だけ1位になったのを除いて、6週中5週までもが洋画が1位をとっている。さらに、お盆休みの初日となる8月11日には超強力作『スパイダーマン:ホームカミング』の公開も控えていて、『怪盗グルーのミニオン大脱走』が驚異の前週比を叩き出して4週連続1位を達成するか、順当に『スパイダーマン:ホームカミング』が初登場1位となるか、今週末の興行動向の焦点もそこに絞られていると言っていい。

 ちなみに、昨年のサマーシーズンはちょうどこの時期に東宝の『シン・ゴジラ』が大方の予想を上回る大ヒットを記録。8月前半に2週連続1位となった後、イルミネーション・エンターテインメント作品の『ペット』に続く2週は1位を奪取されたものの、ご存知のように8月末から11月までは空前の『君の名は。』旋風が吹き荒れることとなった。

 「洋高邦低」となっている今年のここまでのサマーシーズンの状況をもし引っくり返す可能性があるとしたら、8月18日に公開が控えているアニメ作品『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のポテンシャルだ。完成が遅れていた同作品、先日いち早く試写で観させてもらった上で言うと、かなりのヒットとなるのは間違いないと予想するが、さすがに昨年の『君の名は。』のような現象を期待するのは荷が重すぎる話だろう。

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