松坂桃李が物語のカギを握る? 『わろてんか』が描く、笑いの歴史とかけがえのない仲間たち

『わろてんか』で描かれる“笑いの歴史”

 明るく、賑やかなドラマ『わろてんか』(NHK総合)が、スタートした。時は明治35年、京都。老舗薬問屋の娘、藤岡てん(新井美羽)は笑うことが大好きなヒロイン。後に、笑いを商売にして大阪を笑いの都に、日本中を笑顔にした一人の女性、吉本興業の創業者である吉本せいがモデルとなっている。笑いの歴史の移り変わりを映し出しながら、“かけがえのない仲間”と共に日本中を幸せの笑顔に包んでいく物語だ。

 タイトルの『わろてんか』とは、大阪の“魔法の言葉”。「笑ってください。笑ってほしい」という意味を持つ。それに反して、第1週のタイトルは「わろたらアカン」。てんは、京都で一、二を争う薬問屋、藤岡屋に生まれる。よく笑うゲラ、笑い上戸なてんは、父の儀兵衛(遠藤憲一)から「人の生き死に関わる薬屋の娘がゲラが過ぎる」と注意を受けていた。そのあともてんは、祖母のハツ(竹下景子)から指導されるのだが、商談相手のドイツ人一家を招いてのパーティーにて、ドイツ人の頭に蝶々が止まる姿を見て、大笑いしてしまう。しず(鈴木保奈美)がもてなした料理は、台無し。商談も水の泡となってしまい、儀兵衛はてんに「金輪際わろたらあかん!」と笑い禁止令を出す。ここでようやくタイトルの合点がいく。そして、この笑い禁止令が後にてんの人生を変え、運命の人と巡り合う鍵となる。

 第1回は、新井美羽が演じるてんの幼少期をメインに描いていた。15分という短い時間の中にも、初回から個性豊かな人物が登場した。“運命の人”として、物語のラストに颯爽と現れたのは、北村藤吉(松坂桃李)。旅芸人一座の福楽座の一人で、その風貌からてんの笑い上戸と大きく関わってくることが見える。また、てんの兄、新一(千葉雄大)の「何にでもよう笑うということは、逆に人の悲しみにも敏感やということやと、僕は思う。お前が笑うとみんな楽しなるんや。笑いはうつるもんやからな」というセリフも印象的だった。新一は、ドイツ人と儀兵衛の間の通訳も担当する秀才キャラ。てんに笑いの大切さを教え、彼女にとっての支えになっていくのではないだろうか。

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