『ブレードランナー 2049』興収1位も動員では2位 ライバルはまさかの『プリキュア』!?

『ブレードランナー』が『プリキュア』に破れる

 先週末の動員ランキングでは初登場1位となったのは『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!』。「プリキュア」劇場版シリーズの通算23作目となる本作は、全国217スクリーンという中規模公開ながら、上映時間65分(同時上映の『Petit☆ドリームスターズ!レッツ・ラ・クッキン?ショータイム!』とあわせて70分)という効率のいい回転で親子客を中心に17万700人を動員。上映時間163分、レイトショーを除けば1スクリーン1日3回上映が限度の『ブレードランナー 2049』の動員14万9947人を上回った。ただし、客層は大人ばかり(レイティングもPG12)、IMAXをはじめとする特殊上映の観客比率も高い同作は、興収では『プリキュア』の1億9310万1900円を上回る興収2億2649万3800円を記録。公開日となった金曜日からの3日間で動員20万4100人、興収3億0528万3600円という、まずまずの出足を記録した。

 Forbes JAPANによる「映画『ブレードランナー』続編が大コケ 中年にしか受けない説」という翻訳記事が、Yahoo!ニュースのトピックスに「ブレードランナー 米で大コケ」という14文字見出しで躍ったことで、日本では公開前から「大コケ」のイメージが一人歩きしてしまった『ブレードランナー 2049』。既にいくつかの日本の映画メディアやソーシャル・メディア上の投稿でも指摘されているように、アメリカ国内における同作の成績はあくまでも「莫大な製作費と比べると物足りない」「批評家から絶賛されているわりには伸びていない」といったレベル。例年アメリカで興行が落ち込む10月の公開作(10月公開という時点で、映画会社がメガヒットを期待していなかったことがわかる)としては十分に健闘といえる結果で、「大コケ」という表現は行き過ぎであった。ちなみに元記事では「Disaster」(=大惨事)という単語が使用されていたが、その記事を書いたスコット・メンデルソンなる人物は、その後も執拗に本国のForbesで『ブレードランナー』サゲ記事をアップし続けている。レプリカントに親でも殺されたのだろうか?

 もっとも、最終的に46の国と地域で初登場1位を記録した『ブレードランナー 2049』が、世界中で最も公開が遅く設定された、そして本国から大いに期待されていたであろう、日本と中国で大ヒットに到っていないのは事実。日本では週末動員で『プリキュア』に足をすくわれるという思わぬ事態となったが、日本と同じ週末に公開された中国でも、同日公開の近未来を舞台にしたアメリカのパニック映画『ジオストーム』(2018年1月19日公開予定)に圧倒的な差で破れてしまった。

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