武井咲がディーン・フジオカを脅迫!? 『今からあなたを脅迫します』最終回直前で波乱の予感

武井咲が真のヒロインへと

 『今からあなたを脅迫します』(日本テレビ系)はこれまでタイトル通り“脅迫”を物語の中心としてきた。脅迫屋という現実ではありえない設定をコメディ寄りに描くことで、物語に入り込みやすい雰囲気を作り出していた。しかし、第6話から次々に明かされる千川完二(ディーン・フジオカ)の過去、スナオ(間宮祥太朗)の目的により、人間ドラマ的な部分が色濃くなり始めた。“恋人の死”という最大級の不幸と立ち向かう千川と、金坂澪(武井咲)をはじめとした周囲の人々。物語の鍵は、来栖稚菜(松下奈緒)が握っていると見て間違いないだろう。

 脅迫屋はこれまでも、「ゴシップ記事で自殺した友人を救う」、「好きな人を不倫の手から救う」、「澪と轟の命を救う」と、“誰かを救う”ために脅迫をしてきた。これは稚菜と千川の約束であり、犯罪者だろうと傷ついた人を放っておくことはできないという彼女の優しさの表れだった。

 千川が稚菜と出会ったのは4年前。脅迫の仕事で怪我を負った千川を偶然、来栖が見つけかくまったことがきっかけだった。怪我の手当てから回復するまでの身の回りの世話を甲斐甲斐しくする彼女に、千川は心を許していき、2人で暮らすようになる。

 しかし、稚菜は“スズメバチに刺される”という不運な事故で亡くなってしまう。誕生日の日に届いた花の香りのするオルゴールに誘われて偶然やってきた蜂に刺されたというが、不運では片付けきれない偶然の連鎖に、千川はこのオルゴールを送りつけた者が稚菜を殺したのではないかと疑っていたのだ。

 稚菜の他人を思いやる気持ちは、どこか底抜けのお人好しである澪とかぶるものがある。千川と澪の出会いも、彼女が見ず知らずの人を助けるためと身代金を払おうとする場面だった。

 千川はこれまで澪のことを心配しながらも、冷たい態度で彼女を突っぱねてしまっていた。きっと澪の優しさが、稚菜の優しさを思い出させるために、自ら避けていたのだろう。第5話、新戸部文夫(袴田吉彦)の事件で2人の絆は深まったと思われたが、第8話まで2人が直接話すシーンはほとんどなかった。

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