松田龍平や優香らが自身の役柄を語る 錦戸亮主演『羊の木』“元殺人犯”たちのコメント&写真公開

『羊の木』6人の元殺人犯コメント&写真

 錦戸亮と吉田大八監督がタッグを組んだ映画『羊の木』より、6人の元殺人犯たちを演じたキャストコメントとキャラクター写真が公開された。

 本作は、2014年文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した、山上たつひこといがらしみきおによる同名コミックを、『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』の吉田監督のメガホンによって実写映画化したヒューマンミステリー。受刑者を仮出所させ、過疎化が進む町で受け入れる国家の極秘プロジェクトを担当することになった、ある寂れた港町“魚深”の市役所職員・月末が、6人の元殺人犯の男女と関わっていく模様を描く。主人公の市役所職員・月末を錦戸が演じるほか、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平が6人の元殺人犯を演じる。

 松田龍平が演じるのは、無邪気で好奇心が強く、錦戸演じる月末と友達になりたがる、謎めいた宅配業者の宮腰一郎。傷害致死で懲役1年6か月の実刑を受けた過去を持つ。松田は、「おそらく宮腰は、自分でも制御できない凶暴性と子供のような純粋さという、極端な二面性を抱えて生きてきた人だと思うんです。その二つの間で彼がなにを考え、どう揺れていくか。現場では監督の丁寧な演出に助けられて、そのポイントを細かく探っていきました。苦しいけれど、とても豊かな時間でした」と撮影を振り返る。

 傷害致死で懲役8年の実刑後、魚深の新住民として釣り船屋を営む杉山勝志を演じたのは、北村一輝。「6人の元受刑者のなかでも、杉山はとびきり人間くさい登場人物だと思います。ヤンチャで辛抱がきかなくて、おそらく逮捕される前と後でほとんど成長していない。ある意味、人間のどうしようもない変わらなさを象徴しているようで、非常に興味深いキャラクターでした」と語る。常に威圧的でごう慢、すぐ人に絡む、いわば“チンピラ“な杉山を熱演している。

 匂い立つほど色っぽく、どこか隙がある介護士・太田理江子を演じたのは、優香。殺人で懲役7年の実刑後、魚深の街に移住。優香は「愛する人を殺して刑務所に入ったけど、やっぱり人を好きになるのはやめられない。つねに誰かが必要で、その誰かに出会ったら、年齢差など関係なく恋に落ちてしまう。理江子はそんな女性です」と話す。

 人見知りで異様なほど几帳面な清掃員・栗本清美を演じたのは、市川実日子。一見元受刑者には見えないが、殺人で懲役6年の実刑を受ける。市川は、「脚本では、清美はどんなものと繋がっているのか想像がつかない役でした。現場中はずっと水面を漂っているような感覚で、富山の空気感と監督の演出によって、清美という人物を少しずつ体感していけたように思っています」とコメント。

 大人しく気弱な理髪師・福元宏喜を演じたのは、水澤紳吾。普段は気弱だが、飲むと豹変し、手が付けられないほどに。殺人で懲役7年の実刑後、新住民として生活を始める。水澤は自身の役柄について、「元受刑者たちの中で、福元はわりあい身近に起こりうる罪を犯した人間です。その意味では、彼が持っている弱さも含めて、いわゆる普通の世界といちばん地続きのキャラクターだと思いながら演じていました」と語っている。

 顔に深い傷をもつ寡黙な大野克美を演じたのは、田中泯。殺人で懲役16年という6人の中では一番長い実刑を受けた後、魚深の新住民となり、クリーニング店で働く。田中は、「あるいは俺も、こういう人間になってたかもしれない。台本を読んでそう思ったのを憶えています。私はたまたま田中泯という運命を生きていますが、もし大野のような境遇に生まれていたら、この物語が描いているような場所に行き着いていたんじゃないかと。芝居とは本来、“ありえたかもしれない、もう一つの人生”を生きる行為なのかもしれませんが、今回は特にそれが強かった気がします」とコメントした。

■公開情報
『羊の木』
2月3日(土)全国ロードショー
出演:錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平
監督:吉田大八
脚本:香川まさひと
原作:『羊の木』(講談社イブニングKC刊) 山上たつひこ、いがらしみきお
配給:アスミック・エース
(c)2018「羊の木」製作委員会 (c)山上たつひこ いがらしみきお/講談社
公式サイト:http://hitsujinoki-movie.com/

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