『99.9』佐田逮捕から見えた、刑事事件専門ルームの成長 いつも以上の小ネタにも注目

『99.9』刑事事件専門ルームの成長

 シーズン1の第8話で、殺人犯に仕立て上げられ逮捕された深山大翔(松本潤)。当時、拘置所から指示を出しながら事件の真相を追求した彼は「事実の追求」と「依頼人の利益」が相反するものではなく、並列になっているものだと知ったのである。そして3月4日に放送されたTBS日曜劇場『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』の第7話で、今度は深山ではなく佐田篤弘(香川照之)が逮捕される。

 佐田は、自身が顧問弁護士を務めていたオガタテクノロジーの社長・緒方(ヒャダイン)が会社の資金3,000万円を引き出して失踪し、その一部が佐田の口座に振り込まれていたことから、業務上横領幇助の罪に問われることに。深山と尾崎舞子(木村文乃)が担当弁護士として、事件の真相を追い始めるのだ。ちなみに「幇助(ほうじょ)」とは字の通り、何らかの犯罪の手助けをすることである。

 とはいえ深山が逮捕されたときと比較すると「殺人罪」と「横領罪」では、ドラマの題材としてかなり大きな差があることは否めない。仲間たちの結束と深山自身の成長、その後に待ち受けていた深山の過去へ物語が進んで行くために必要だったシーズン1のそのエピソードとは異なり、今回のエピソードは「敵の強大さ」を示すためのものだったといえよう。

 とある国賠訴訟の中心人物であることから、テレビ番組に出演し調子に乗って検察官と裁判官の癒着による歪んだ裁判の実態を語る佐田。そんな佐田を陥れるために仕組まれた可能性があると、元裁判官である尾崎は見当を付ける。その予感通り、川上憲一郎(笑福亭鶴瓶)たち裁判所の上層では、裁判がはじまる前から佐田の判決は固まっており、あらかじめ仕組まれた筋書きに乗せられたということである。

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