アヴィシャイ・コーエン、初めて映画音楽を担当した想いを明かす 『セラヴィ!』メイキング映像

『セラヴィ!』特別映像<音楽編>

 7月6日公開の映画『セラヴィ! 』より、特別映像が公開された。

 本作は、パリの結婚式での1日を舞台に繰り広げられる人間ドラマ。ベテラン・ウェディングプランナーのマックスは、ピエールとヘレナというカップルからの依頼で、17世紀の城を舞台にした豪華絢爛な結婚式を控えていた。マックスはいつも通り完璧なプランを立てるが、癖の強いスタッフたちのせいで、感動的になるはずだった式は大惨事と化してしまう。様々な思惑と人生が交差する結婚式の、朝の準備から夜が明けて式が終わるまでをスタッフの目線からユーモアたっぷりに描く。

 また本作は、先日開催された、フランス映画祭にて一般投票によるエールフランス観客賞を受賞した。映画祭に合わせて来日していたエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督は、オープニング作品として上映された本作を1000人以上の観客と一緒に鑑賞。本作の“爆笑ポイント”の日本の観客のリアクションを直接体感し、上映後は手応えをつかんだ表情を見せていた。ナカシュ監督は来日中、「人と人とをつなげる一番の近道はユーモアである」という信念を語り、トレダノ監督もトークショーで「皆さんの笑い声が聞きたくて日本にやって来ました」とコメントした。

 今回公開された映像は、本作の映画音楽を担当した、世界有数のベーシスト・アヴィシャイ・コーエンによる日本独占コメントと、本作の音楽面に迫ったメイキング映像。

『セラヴィ!』特別映像<音楽編>

 この豪華コラボは、トレダノ&ナカシュ両監督がコーエンに熱烈アプローチをしたことで実現。ナカシュ監督が脚本執筆中にコーエンの曲を聴いていて、その独特なテンポとリズムは物語にピッタリ合うのではないかと考え、これまで映画音楽を手掛けたことのないコーエンにダメもとでアプローチをしたことがきっかけだという。もともと『最強のふたり』が好きだったというコーエンはオファーを快諾。コーエンは、監督から映画の音楽的ビジョンを聞かされたときのことを「映画全体に私の音楽が有機的に織り込まれていた」と印象を語り、映画を観た感想として「音楽の物語る力や、音楽自体が​とても活き活きと​してい​たことに驚いた」と振り返る。

 劇中使用されているコーエンの楽曲はいずれも彼の既存の曲で、映画のためにアレンジして全て再録。コーエンは監督との共同作業を振り返り、「彼らが音楽やミュージシャンからどれだけインスパイアされているかを知り​、逆に私も彼らにインスパイアされたよ。彼らの仕事を見ていて、それぞれが芸術として成り立っている“映像”と“音楽”を使い、お互いを補完し合うように一緒に作用させる方法や、彼らのものづくりに​対しての情熱など​、私は沢山のことを学んだ」と大いに刺激を受けた様子。

 さらに、コーエンによる現レギュラー・トリオとオーケストラを融合させた意欲的なステージが「アヴィシャイ・コーエン トリオ with 17 ストリングス」と題して8月に日本初上陸を果たす。

アヴィシャイ・コーエン 『セラヴィ!』公開に寄せた日本独占コメント全文

「音楽の物語る力や、音楽自体が​とても活き活きと​してい​ることに驚いた」
2年前、あるコンサート終わりに、2人のフランス人映画監督が私のところに​来て、エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュです、と自ら​の紹介を受けたんだ​。映画制作者からアプローチされるのは初めてではないが、彼らが『最強のふたり』(2012年)のつくり手たちであることを伝えられた時に、大物だと気づいたよ。『最強のふたり』は私がとても好きな映画だからね。
監督たちから、私の音楽にインスパイアされた映画の脚本を書いていると聞き、音楽使用の許可を求められたのだけれど、初めての映画とのコラボレーションを、この素晴らしい監督たちと一緒​にできたことがとても嬉しい。
本作では、新しい曲を書き下ろしたのではなく、監督たちが私の既存のレパートリーの中でどの曲を使用したいかが明確で、すでに映画全体に音楽が有機的に織り込まれていたんだ。
完成した映画を観た時に、音楽の物語る力や、音楽自体が​とても活き活きと​してい​ることに驚いたよ。彼らがどれだけ音楽やミュージシャンからインスパイアされているか理解できるし、逆に私も彼らにインスパイアされたよ。彼らとの仕事を通して、それぞれが芸術としてなりたっている「映像」や「音楽」の使い方、お互いを補完し合うように一緒に働かせる方法や、彼らのもの作りに​対しての情熱など​、沢山のことを学んだ。
この映画は笑えて、刺激的で、彼らのこれまでの作品と同様に人間社会へのメッセージを含んでいる。

■公開情報
『セラヴィ!』
7月6日(金)渋谷・シネクイントほか全国公開
監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
出演:ジャン=ピエール・バクリ、ジル・ルルーシュ、ジャン=ポール・ルーヴ、ヴァンサン・マケーニュ
配給:パルコ
2017年/フランス/117分/原題:『Le Sens de la fete』/英題:『C’est la vie!』
(c)2017 QUAD+TEN / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / PANACHE PRODUCTIONS / LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE
(c)Bernard RIE Photographies
公式サイト:cestlavie-movie.jp

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画情報」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる