永野芽郁が明かす『半分、青い。』鈴愛役の苦悩と喜び「壊れるかもしれないと思った時期もあった」

『半分、青い。』永野芽郁インタビュー

 4月2日よりスタートした朝ドラ『半分、青い。』(NHK総合)が、9月29日に最終回を迎える。星野源が歌う主題歌『アイデア』とともに、永野芽郁の笑顔に毎朝癒やされた視聴者も多かったことだろう。永野が演じる主人公・楡野鈴愛は、度重なる挫折を繰り返しながらも、人並み外れた前向きさとバイタリティで、“一大発明”に向けて突き進んでいる。

 リアルサウンド映画部では、約10ヶ月間にわたり鈴愛を演じた永野芽郁にインタビュー。朝ドラヒロインを演じたことで得たもの、鈴愛への思い、そして今後の女優としての展望までたっぷりと話を聞いた。【インタビューの最後にチェキプレゼントあり】

予想以上に大きかった朝ドラヒロインの“壁”

ーークランクアップを終えた後のブログで「台本を読まない自分が不思議」とも書かれていましたが、改めてすべての撮影を終えた現在の気持ちを教えてください。

永野芽郁(以下、永野):思い返すとすごく大変な毎日ではありました。クランクアップの際に、スタッフ・キャストの皆さんから寄せ書きが書かれたアルバムをいただいたのですが、写真の中の私は全部笑っていたんです。もちろん、楽しい日々ではあったのですが、私の中では現場ではそんなに笑えているイメージがなかったので、自分で思っていた以上に周りの皆さんに支えていただいていたんだなって。でも、撮影を終えて、「明日からはもう撮影現場に行けないんだ…」というロスに襲われるかと思ったら、意外とそれはありませんでした(笑)。

ーー鈴愛にとらわれるわけではなく、意外にスッキリと切り替えられたと。

永野:『半分、青い。』の現場が大好きでしたし、スタッフ・キャストの皆さんが大好きです。先日、おじいちゃん(中村雅俊)の舞台をお母ちゃん(松雪泰子)と一緒に見に行って、その後にご飯に連れて行ってもらったんです。その席で、「鈴愛は芽郁ちゃんにしかできないよね」と言ってもらって、“私にしかできない役がこの世の中に存在していたんだ”と思ったらすごく嬉しいことだと改めて感じました。本当に鈴愛を演じることができたのは嬉しかったんですが、それでも今は意外に「サヨナラ~」という感じがあります。1日に撮影する量がとんでもなく多くて、セリフの量もすごく多かったので、最初は1週間分をどう覚えればいいんだ!という感じでした。でも、やってしまえば意外とできるんだなと。今は映画1本分の台本を3時間ぐらいで覚えられると思います(笑)。

ーー撮影開始当初のインタビューで、「壁を感じない」と話していましたが、実際に“壁”はなかったですか?

永野:「壁を感じてない」と発言してから2週間後ぐらいにすごい壁に直面していました(笑)。世の中に最初のインタビュー記事が流れ始めて、「お、永野芽郁は余裕でやっているのか」と皆さんに思われている時期が一番苦しい時期でした。10ヶ月間、同じ役を演じるというのは、自分自身でいる時間がほとんどなかったですし、実際に本物の家族と一緒にいるよりも楡野家のみんなと一緒にいる時間のほうが長かったんです。途中、自分の生きている時間に鈴愛をどうやって落とし込んでいくのか分からなくなる時期がありました。周りの皆さんともどう接していいのか分からなくなってしまって。夫となる涼ちゃん(間宮祥太朗)との出会いから別れまでの時期は、撮影の順番があらすじ通りではないところもあり、どう演じていたかほとんど記憶にないぐらいでした。

――鈴愛のキャラクターのせいもあり、勝手ながら現場でも永野さんは元気に乗り切っているイメージがありました。

永野:結構いっぱいいっぱいになってる時期もあったんです。でも。本当にしんどい時に、お母ちゃんがわざわざ前室に来て、抱きしめてくれて、泣きながら話を聞いてくれたこともありました。こんなに長い時間をかける作品で、本当に周りの皆さんに恵まれたことを、改めて幸せだったなと思います。

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