『トレース~科捜研の男~』千原ジュニアの不穏な動き 錦戸亮はついに船越英一郎と復讐に走る?

『トレース』千原ジュニアの不穏な動き

 『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)が、3月4日放送の第9話にて最終章に入った。この回で真野礼二(錦戸亮)の過去についての進展は、さほどない。しかし、警視庁刑事部長の壇浩輝(千原ジュニア)が、科捜研の科長・海塚律子(小雪)に接触するシーン、そして虎丸良平(船越英一郎)、沢口ノンナ(新木優子)が真野の過去に関する事実を知ること、この2つは今後の展開における重要なトピックと言える。

 シーンは少ないものの、登場の度にその不敵な笑みでインパクトを残してきた壇。真野の家族が殺された「武蔵野一家殺人事件」との関係性が示唆されている。第9話でも、廊下ですれ違った壇と海塚が立ち止まって挨拶し、「科捜研の活躍のおかげでいつも助かってますよ。今後も期待しています。研究員の皆さんにもよろしくお伝えください」と言葉をかけるというもの。一見、何の変哲もないセリフであるが、事件に関する警視庁の動きを知っていれば話は別だ。

 物語が一気に動いたのが第6話。当時、武蔵野一家殺人事件の鑑定を行っていた海塚であったが、この事件に関する全ての資料が何か巨大な圧力により提出させられたことを真野に証言している。そして、この事件と関連があると見られる河川敷で殺されたホームレス男性・新妻大介の一件も、“上からの打ち切り命令”によって警視庁の捜査は止まっている。例えば、この上層部が刑事部長である壇を指すと仮定し、海塚が見当がついているとするならば、2人の会話の意味合いはガラッと変わってくる。壇の言う“研究員”はきっと真野を示しているのだろう。


 警視庁の不審な動きに勘づいた虎丸は、武蔵野一家殺人事件から一人生き残ったのが真野であること、彼が今も真相を突き止めようとしていることを掴む。第9話で起きる事件には復讐心が孕んでいる。事件が解決し、虎丸の「もしお前の大切な人を殺した犯人が見つかったら、復讐したいと思うか?」という問いに真野は何も答えず、一点を見つめるのみ。沢口は真野への好意と、力になりたいという思いを虎丸に明かし、彼の過去の真実を知る。「あいつにも信じてくれる人間が必要だ」という虎丸の言葉は、真野が一人ではないことを証明しているようだ。

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