『3年A組』福原遥、菅田将暉との共演で見せた迫真の演技 “まいんちゃん”から更なるステップアップ

『3年A組』福原遥が見せたステップアップ

 菅田将暉主演の話題のドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)に水越涼音役で出演中の福原遥。子役時代に子ども向け料理番組『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』(NHK・Eテレ、2009年~2013年放送)の主人公“まいんちゃん”として人気を博し、その後は戦隊モノから『プリキュア』シリーズの声優、映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』など徐々に活動の幅を広げ、今年は『3年A組』出演に続き、人気少女漫画原作の映画『4月の君、スピカ。』の主演や、ドラマで人気を博した『賭ケグルイ』の映画版など話題作が控え、20歳となった福原はさらに「女優」としてステップアップを遂げている。 

(左から箭内夢菜、永野芽郁、福原遥、三船海斗)

 『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』の柊まいん役で、同世代の子どもやその親世代など幅広い年齢層から人気があり、まさに国民的アイドル子役であった福原。そこからローティーン向けファッション雑誌『ピチレモン』の専属モデルを経て、『プリキュア』シリーズなどの声優としても活躍、子役アイドルの王道を歩んでいた彼女。ただ福原の優れていた点は、子役時代のピュアさを保ちつつ、確かな演技力と年相当な大人っぽさを備え、今現在、女優業としても数多く活躍する。

 連続ドラマ初主演となった『グッドモーニング・コール』(フジテレビオンデマンド/Netflix・2016年)では、明るくて元気でピュアという、福原の国民的アイドルイメージをそのままを女子高生に置き換えたような役柄なので、自然に溶け込んでいた。ただキスシーンが何度もあったことで、ショックを受けるまいんちゃんファンが続出。“みんなの妹”から卒業をした作品と見ることもできよう。

 新たな一面を見せたと話題となったのが『レンタル救世主』(日本テレビ・2016年)。当初はイケイケな女子高生グループのリーダー的存在でいじめっ子キャラだったが、後に自分に自信がなく虚勢を張っていることが判明。一生懸命で愛らしい役柄だった。顔を作りながら慣れないラップを疲労したり、胸にタオルをつめてEカップバストを揺らしながら登場するというシーンには、あの清純派のまいんちゃんがここまで吹っ切れた役を演じるのかと、Twitterでトレンド入りするなどネット上では絶賛と驚愕の嵐となった。映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(2017年)での自分よがりのアイドル系ダンスを披露する役も、福原の愛らしさを生かしたもので、世間がイメージする彼女のキャラのデフォルメであり、延長線上にある役柄を演じることが多い。顔芸も辞さない表情の変化が実に繊細で、少女漫画に出てくるようなピュアで面白いキャラクターがハマっている。

 中でも傑作だったのが、『ふたりモノローグ』(AbemaTV・2017年)で演じた、小学校時代は明るく人気者だったが、地味でネクラになってしまった高校生・麻積村ひなた役。金髪ギャルに愛情を持って挨拶されても、カツアゲされるのではないかと怯えたり、好意がゆえに見つめられるのを、恨みをもって睨まれていると思ったりと、愛情を全て否定的に捉えオドオドする女子高生役の演技が絶妙で、コメディエンヌとしての才能を抜群に発揮させていた。

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