Piano 3D、AR Music、KAGURA……「ARKit 2」はAR×音楽をさらに進化させるか

「ARKit 2」でAR×音楽はさらなる進化へ?

 「Oculus go」や「Mirage Solo」など、ケーブルやスマートフォンを要せずスタンドアローンで駆動するVRヘッドセットが登場し、VR体験は一層身近になった。一方でAR(拡張現実)は、現実の環境が影響を与えるという意味で、VRにはない体験や感動が得られるものとして独自の進化を遂げている。

 ARについての最近のアップデートといえば、2018年6月4日から8日にAppleが開催した『WWDC 2018』で発表された「ARKit 2」だ。発表時の映像を紹介しよう。

 

 ARKitは、iOSでARアプリを作成できる、開発者のためのフレームワークだ。多くのARアプリがこのARkitを活用して作られており、iOS11.3では「ARKit 1.5」が提供され、今回発表されたiOS12ではついにメジャーアップデートを果たした。

 改良点のひとつは、空間をシェアできるようになったことだ。例えば、あるデバイスでカメラをテーブルにかざしてARオブジェクトを見ていたとすると、違うデバイスでテーブルを見た場合、同じARオブジェクトを見られるようになった。これは今までになかった体験で、上記動画のデモではひとつのARレゴを二つのデバイスで共有しているのがわかる。

 また、空間の状態を開発者が工夫せずとも記録できるようにもなった。あるARオブジェクトを設置してアプリを閉じても、アプリを開いて同じ場所を映すとオブジェクトが残っているという状態だ。イメージとしては、懐かしき『セカイカメラ』のエアタグのようなものだろう。

 ひるがえって、Play & Learn Hundreds of Songsが開発した「Piano 3D」というApp StoreのTodayタブでも紹介されていたアプリがある。

 ARでグランドピアノをその場に表示させ、自動演奏をさせたりハンマーが動く様子を鑑賞できる。面白いのは、ARで表示させたピアノをタッチ操作で演奏できるということだ。「ARKit 2」のシェア機能を応用すれば、このピアノをシェアして複数のデバイスで1台のARピアノを演奏することができるかもしれない。

 AR×演奏という文脈では、ARマーカーを使った音楽体験プラットフォームの「AR Music」や、体を動かして演奏する「KAGURA」などもあった。

 

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