KEISEI「VRデートをしてみたい」 宇多丸とビデオゲームの革新とアート性について語る

 7月5日放送の『ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ』(TBSラジオ)に、コーラスグループ「DEEP」からKEISEIが引き続き出演。先週(6月28日放送分)はKESIEが幼少時代に体験したゲームとの出会い、そして現在進行形でやり込み続けている『Fallout 4』(Bethesda Softworks)の魅力について宇多丸と語り明かしていたが、今週はもう一歩踏み込んだゲームトークが展開された。

 番組前半のトークは、KEISEIの力の入ったやり込みプレイにより、宇多丸やリスナーを驚かせたであろう『Fallout 4』の話題で盛り上がった。文明崩壊後の未来を描いた『Fallout 4』は殺伐とした世界観を提示する一方で、プレイヤーに多様な遊び方を提供する自由度の高いクラフト機能が備わっている。前回はこのクラフト機能を活用したベース拠点の建築談義に花を咲かせたKEISEIと宇多丸。今回はそうしたゲームシステムや重厚なストーリー展開といった内容のトークに加え、作品が持つメタ的な魅力に基づいてKEISEIと宇多丸の分析が明かされ、これが一致していたように思う。

 まずゲームプレイ中に挿入されるロード時間の存在に対しKEISEIは、「ロードの合間にご飯を食べたり飲み物を取ってくるから、助かる場合もある」と寛容さを示す。ロードはゲームデータを読み込むマップ切り替えやイベントシーンで始まることが多く、この間に家事やメール返信などを済ませるようだ。幼少期のゲームプレイ環境が前回放送で多く語られたこともあり、スキマ時間を有効に使いやり込みプレイを敢行するKEISEIからは、ゲーマーとしての本気度が感じられた。

 その熱意を体現するかのごとくメインストーリーをクリアし、追加コンテンツの「Nuka World」もクリア一歩手前まで進めたというKEISEIの話を受けて、宇多丸は「2015年に発売したゲーム作品なのに、ここまでやり込めるって凄い」と感嘆。番組終盤に再び「『Fallout 4』はアートだと思う」と見解を述べながら、「(ゲームシステムやグラフィティ全般に)アメリカの歴史が織り込まれている」とした。続くKEISEIも「バランスが良い。よく考えられている」と伝え、宇多丸と同様に第一線を走るアーティスト視点から『Fallout 4』の深い魅力をまとめた。

 また今週のハイライトとして、KEISEIの初VR体験トークも欠かせない。当初はVRゲームにやや懐疑的なKEISEIだったが、マイゲーム・マイライフに出演するにあたって、『The Elder Scrolls V:Skyrim VR』( Bethesda Softworks)をプレイしたKEISEIは、「自分が(ゲームの)世界にいた。ドラゴンや雪山のグラフィックがリアル」と話し、価値観に大きな変化が起こったことを語った。さらに、VR機器を使ったVRデートを想像して「一緒にVR機器をつけて奥さんとデートしてみたい」(KEISEI)、「VRデートはビジネス的にもいけるのでは?」(宇多丸)と、発想豊かに意見を交わしたところで、全2週に渡って展開された濃密なゲームトークは幕を閉じた。

 7月12日放送分には、音楽グループ「fripSide」のボーカルを務める声優の南條愛乃がゲストに登場。ナンジョルノの愛称でも親しまれる南條は、『ファイナルファンタジーXIV』(FFXIV)公式番組のメインパーソナリティーを担当し、プライベートでもFFXIVの熱心なプレイヤーであることも有名だ。パーソナリティーやゲストの思い出がこもったゲームトークを楽しみたい方は、次週も忘れずにチェックしよう。

◾️番組情報
『プレイステーション presents ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ』
TBSラジオにて、木曜日21:00より放送中
HP:www.tbsradio.jp/mygame/

■龍田優貴
ゲームの尻を追いかけまわすフリーライター。時代やテクノロジーと共に移り変わるゲームカルチャーに目が無い好事家。『アプリゲット』『財経新聞』などで執筆。
個人的なオールタイムベストゲームは「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ。
Twitter:@yuki_365bit

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