GLIM SPANKY・亀本寛貴が語るゲーム論「エンタメという広い世界で見たら、ゲームはライバル」

GLIM SPANKY・亀本寛貴が語るゲーム論

 リリースにライブにと、飛躍を続ける新世代ロックユニット・GLIM SPANKY。ブルージーでエモーショナルなギターと、音楽ファンをうならせる作曲能力でユニットを支える亀本寛貴は、大のゲーム好きだという。音楽と同様にゲームを楽しみ、そこから多くのものを受け取っているという亀本は、多忙な中でどんな作品をプレイしているのか。ゲーム歴から作品選びのポイント、そして、彼が考える音楽とゲームの共通点まで、じっくり聞いた。

『ウイイレ』を毎日プレイ

ーーTwitterでもサッカーの話題が多く、スポーツマンのイメージが強い亀本さんですが、かなりのゲーム好きだと聞きました。

亀本:小さい頃からゲームばかりやっていましたね。記憶が確かなら、保育園にゲームボーイを持ってきている子がいて、自分も欲しくなって買ってもらったのが最初だと思います。プレイしていたタイトルは『ドンキーコングGB 』(任天堂)。お昼寝の時間に熱中して、先生に没収された覚えがあります(笑)。難易度が高くて、全クリはできなかったと思いますが。

ーーその後も順調に、ゲームにハマっていったと。

亀本:そうですね。『ポケットモンスター』(任天堂)にもハマりましたし、中学生の頃に初代の『モンスターハンター』(カプコン)が出て、これもやり込みました。当時はオンラインに接続するのも簡単ではなかったし、今ほどライトなタイトルではなかったですね。

 大学時代に大ハマりしたのは、オープンワールドのRPG『Skyrim』(Bethesda Game Studio)。『The Elder Scrolls IV: オブリビオン』(Bethesda Game Studio)もプレイしましたし、海外ゲームにも抵抗がなくて。『Skyrim』はWindowsでプレイしていたんですけど、当時としてはグラフィックもきれいだったし、その世界観に入るのが楽しくて、気づいたら何百時間も費やしていました。

 よく遊んでいたハードはプレステ3(PlayStation®3)。お金がなくなったら泣く泣く売り、また買い戻す、ということを繰り返していましたね(笑)。

ーー当時から、今も継続してプレイしているシリーズはありますか?

亀本:『ウイニングイレブン』(コナミ)シリーズですね。2014年くらいからオンラインでガチでやり始めて、それからは毎年、発売日に買っています。今も毎日、何試合かプレイしているんですよ。いわゆる“ガチャ”で選手を揃えるシステムがあるのですが、僕は無課金でやっているので、スーパースターが揃ったチームにはどうしても勝てないことがあって、そういう時は既存のチームで戦うモードで遊んでいます。試合の結果次第で、気持ちよく眠れる日もあれば、イラついて眠れない日もあって(笑)。オフラインでは、never young beachの安部(勇磨)くんとよくプレイするんですけど、めちゃくちゃ強いです!

 『ウイイレ』は少し忙しくてプレイから離れても、すぐに感覚を戻せるのがいいですね。最近は『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』(スクウェア・エニックス)も遊びましたが、RPGは一週間くらい触らないと目的を見失って、「何のために冒険していたのか……」となってしまいがちで。スポーツゲームは一試合で完結するから、いつでも始められて、いつでもやめられる、というのも気軽でいいところだと思います。

ーーRPGの話も出ましたが、亀本さんはきっちりレベル上げをするタイプですか? それとも、アグレッシブに物語を進める方ですか?

亀本:レベルを上げて、ボスを安全に倒すタイプです。新しい街に着いたら最強装備を整えてから、次の街へ。鍛えるだけ鍛えて、ラスボスを倒す前にやめてしまう……というのは、あるあるですよね。僕も「もう倒せるな」と思ったら、それで満足してしまうことがあります。他のゲームが待っているので(笑)。

 子供の頃って、やりたいゲームも時間もたくさんあるけれど、ソフトがなかなか手に入らないですよね。だから、一本を大切に遊び尽くすことができて。でも、大人になると逆転現象が起きて、やりたいゲームを自由に買えるようになる反面、プレイする時間がない。だから“積みゲー”が増えてしまうんです。思い出補正もあってハイテンションで買った『クラッシュ・バンディクー』のリメイク(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)も、まだプレイできていません。

音楽と通じる部分は大きい

ーーライブなどで移動も多いと思うのですが、携帯型ゲームはどうですか?

亀本:ニンテンドー3DSを持ち歩いていて、今は『ポケットモンスター ウルトラサン』(任天堂)でポケモンを育てています。オンライン対戦はあまりやっていないのですが、初代ポケモン世代なので、リザードンやギャラドスにこだわっていて。勝てるポケモンを集めて育てる、というより、好きなポケモンでどう勝つかを考える方が楽しいんです。

ーーそうした感覚は、音楽にも繋がるところがあるでしょうか。

亀本:音楽と通じる部分はかなり大きいと思います。通じるというか、同じ感覚かもしれないですね。ゲームでも音楽でも、好きなものに徹底的にこだわる。ただ、ゲームは遊びなので、加減を考えなければいけないのが辛いところですね。そういう意味では、音楽は加減を考えず、お金を徹底的にかけても誰にも怒られない(笑)。こんなに幸せなことがあるか、と思ってしまいます。

 何歳になっても、常に自分がワクワクできるものを探して、刺激を受けていくーーそれを自分の作品に還元していくのが、ミュージシャンとして大切なことだと考えています。そういう意味で、僕は音楽からもゲームからも、同じように刺激を受けていると思いますね。それに、「エンターテインメント」という広い世界で見たら、ゲームはライバル。例えば、『ポケモン』の新作と、GLIM SPANKYのニューアルバム、どちらを買うか……と、比較されても、負けないようにしなければと。

ーーゲームは音楽につながるインスピレーションを与えてくれるものであると同時に、負けられないライバルだと。

亀本:そうです。音楽は芸術、ゲームは子供のおもちゃーーという捉え方もあるかもしれませんが、僕はどちらも、気軽に楽しめる大切な娯楽に変わりないと考えています。『モンスターハンター』は楽しいし、音楽よりもそちらにお金をかけたい、という人がいるのは当たり前のことで。

 ロックミュージックも同じエンタメとして、少し現実から逃避して楽しめる娯楽性がなければいけない、と思うんです。例えば、僕にとって、ジミ・ヘンドリックスやジミー・ペイジ、エリック・クラプトンなどのヒーローたちは、もはやファンタジーの世界だし、マリオやリンク(ゼルダの伝説)と変わらないような感覚もある。それにワクワクしている、というのも同じベクトルだし、自分もそういう音楽を提供したいんです。

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