『黒子のバスケ』ED曲で知名度上昇 アニソン界が生んだ新たな実力派=Fo'xTailsとは?

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Fo’xTails

 2013年11月に結成された5人組バンド・Fo'xTailsのメジャーデビューシングルの表題曲「GLITTER DAYS」が、人気アニメ『黒子のバスケ』第3期エンディング曲に抜擢された。同アニメのエンディング曲にはこれまで、ヒャダインの「Start it right away」、OLDCODEXの「カタルリズム」と「WALK」、小野賢章の「FANTASTIC TUNE」が順に起用されてきて、Fo'xTailsの「GLITTER DAYS」は5曲目となる。

 takao(Vo.)、鳴風(Gt )、テラ(Gt.&Prog.)、坂本尭之(Ba.)、峻洋(Dr. )の5人からなるFo'xTailsは、ポップでメロディアスな楽曲はもちろん、重厚な演奏と個性溢れるライブのエンターテイメント性も魅力。狐のお面を被ってのSEから、オーディエンスとともに「コンコン」とかけ合いながら演奏するなど、会場を一体にするパフォーマンスをしたかと思えば、時にはクールでアグレッシブなステージングを披露し、様々な顔を見せる。

 多くの若手バンドのライブは、世界観が出来上がっていなかったり、演奏力がそれに追いついていなかったりすることも多く、「また観たい」という気持ちにまではならないこともしばしばだ。(もっとも、その成長過程を追うこともバンドの醍醐味ではあるが)だが、Fo'xTailsのライブはそうした「若手」のイメージを覆すほどのエンターテイメント性がある。ステージを演出しているのにリアルなことを歌っていて、危うそうなのに自信に満ちたテクニカルな演奏という、何とも不思議な魅力で楽しませてくれる。活動開始から僅か約1年でのメジャーデビュー、人気アニメのタイアップに抜擢という快挙であるが、彼らの力を思えば自然であるように思う。それほど、ステージの上の彼らはまさに“妖狐”のように魅惑的なのだ。

 伸びやかな高音が心地よくあり、なおかつパワフルな歌唱力を備えたボーカルのtakaoは、幅広い楽曲を歌いあげていて、さらに伸びしろを期待できる。また、ギターの鳴風とベースの坂本堯之は、他アーティストのサポート業も積極的にこなしている経験豊富なプレイヤー(ギターの鳴風はギターマガジングランプリ受賞歴もあり、DAIGO、rice、WING WORKS、ASH DA HEROのサポートを、ベースの坂本堯之は茅原実里、GRANRODEOのサポートをそれぞれ務めた経験を持つ)で、バンドのサウンドをテクニカルなものにしている。大舞台での演奏経験を持つ2人がいることから、今後は大きなステージで堂々たるパフォーマンスを魅せてくれるのではないだろうかと期待が高まる。なにしろ曲によって変わる彼らの表情やスタイル、それぞれの色を持つ5人の織り成すサウンド、会場を巻き込むステージは見物だ。それはアニソン界にとどまらず、様々なシーンへ飛び出していくであろう。

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