Alfred Beach Sandalと王舟が2マンライブで披露した、鮮烈なバンドアンサンブル

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 Alfred Beach Sandal(以下、ABS)と王舟が5月8日、東京・渋谷 QLUB QUATTROで2マンライブ『Wang's Honeymoon』を行った。

 同ライブは4月22日にABSがEP『Honeymoon』を、王舟が『Wang LP』を同日リリースしたことを記念して実施したツアーの初日公演。共通のファンも多い2組のライブを一目見るため、会場には多くの観客が訪れた。独特な発音の英語と日本語を使い分けた歌詞や、多国籍かつ親しみやすい音楽性を持つ王舟と、ロックやラテン、ブラックミュージックなど様々なジャンルをコラージュしたような実験的な音楽性のABSは、共にソロとして活躍している2組。だが、この日はともに馴染みのあるサポートメンバーを迎えて、バンドセットでライブを実施した。

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 開演時間が過ぎ、まずは王舟のライブがスタート。ギターノイズの轟音に紛れながら鍵盤が小鳥のさえずりのように奏でられると、自身が影響を受けたというオアシスの「Songbird」をカバー。観客を一気に引きつけたかと思えば、今度はライブで度々披露してきた電気グルーヴの「虹」を独自のアレンジで演奏するなど、序盤から王舟らしい、人を喰ったような変幻自在さを見せつけた。

 その後は王舟がバンド時代に制作していたという「tatebue」、「Ill Communication」「New Song」「とうもろこし畑」を、フルバンド編成で立て続けに披露。もちろんこれらの曲は弾き語りで歌われる良さもあるが、やはりバンドを想定していただけに、フルバンド編成にピタリとハマっていた。王舟のバンドは岸田佳也(ドラム/トクマルシューゴ、俺はこんなもんじゃない、スッパバンドなど)、池上加奈恵(ベース/真黒毛ぼっくす)、潮田雄一(ギター・バンジョー/QUATTRO)、などが参加しているが、「New Song」ではつい性急になってしまいがちなドライブ感をパワフルなまま上手くコントロールし、潮田のバンジョーが気持ちよく響く「uguisu」ではゆったりとしたシャッフルビートで盛り立てる岸田のドラムがこの編成の核であるように思えた。

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