嵐、大物ミュージシャン提供曲は「変化」の兆し? 竹内まりや&山下達郎が手がけた新曲への期待

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 嵐が、2016年第一弾シングル『復活LOVE』を2月24日にリリースすることを発表した。同作は、彼らにとって通算48枚目のシングル。表題曲については、作詞を竹内まりや、作曲・編曲を山下達郎が手がけたとのことで、音源公開前から大きな反響を呼んでいる。

 Johnny's netでは、同曲についての紹介文が掲載されており、「いつの時代も変わらない普遍的な男女の恋愛情景を、嵐の5人が切なくメロディアスに歌い紡いでいく、一編の小説のようにドラマティックなラブソング」であるとのこと。

 これまでジャニーズのアーティストでは、SMAP、タッキー&翼、関ジャニ∞などがさまざまなジャンルのミュージシャンから楽曲提供を受け、意外な組み合わせがもたらす化学反応や、多彩な音楽性で多くのファンを楽しませてきた。そんな中、嵐はミュージシャンからの楽曲提供が少ないグループだ。

 過去に、二宮和也のソロ曲「秘密」(2005年・アルバム『One』収録)をシンガーソングライターの磯貝サイモンが作詞・作曲、同じく二宮のソロ曲「それはやっぱり君でした」(2012年・アルバム『Popcorn』収録)をシンガーソングライターの大知正紘が作曲、櫻井翔のソロ曲「sugar and salt」(2013年・アルバム『LOVE』収録)をヒップホップグループの韻シストが作曲・編曲を手がけたことがあった。グループ曲では、2015年10月リリースのアルバム『Japonism』リードトラックの「心の空」。作詞・作曲・編曲を布袋寅泰が手がけ、ミュージックビデオでも共演を果たしている。

 シンガーソングライターのスガ シカオが作詞・作曲を手がけた「アオゾラペダル」も、印象的な仕上がりだった。同曲は、櫻井が主演を務めた映画『ハチミツとクローバー』のエンディングソングとしても大きな話題を呼んだ。ミュージックビデオも特徴的で、青春時代を共に過ごした嵐のメンバー扮する5人の男性が久々に再会し、当時の思い出を振り返るというドラマ仕立ての内容。嵐のメンバー以外にも女性3人が出演し、櫻井と一人の女性の恋模様を物語の大きな軸として、普遍的な青春群像が描かれていた。「復活LOVE」のコンセプトにも「普遍的な男女の恋愛情景」「一編の小説のよう」といったワードが掲げられているが、今回も「アオゾラペダル」のようなドラマ仕立てのミュージックビデオになるのだろうか。映像への期待も高まる。

 活動初期はストレートな応援ソングやメッセージソングが多かった嵐だが、「アオゾラペダル」以降、情景や心情を描き出すような作品が増えた印象がある。「復活LOVE」も、今後の彼らの作品におけるひとつの転機となるのではないだろうか。

 シングルの『アオゾラペダル』がリリースされた2006年から、今年でちょうど10年を迎えた。楽曲で取り上げる歌詞のテーマも時の流れと共に、青春から大人の恋へと発展を遂げている。これまであまり取り組んでこなかったミュージシャンによる提供曲からは、グループとして新境地へ向かっていこうとする姿勢も感じられる。竹内まりやと山下達郎の共作によって生み出された王道かつ普遍的なポップミュージックであろう同曲を、嵐がどのように歌うのか。パフォーマンスの変化にも注目したい。

(文=竹上尋子)

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