道重さゆみ、再始動で示した新たな躍進の形 グループ卒業後の“ソロ活動”について考える

 道重さゆみが、モーニング娘。卒業から約2年4カ月の活動休止を経て、3月に芸能活動を再開した。復活公演『SAYUMINGLANDOLL~再生~』は、コンサート、ミュージカル、ディナーショーのいずれでもない、音と光、映像が織りなす新しい世界。「再生」と「希望」をテーマにした約80分のショーである。3月から4月にかけて行われた34公演は、全公演ソールドアウトという盛況ぶりだ。

 この公演に、音楽番組『Love music』(フジテレビ系)が密着。道重へのインタビュー、公演までのドキュメントを含めた内容が4月30日に放送された。「可愛さのピークで卒業したいというのがあって。休んでみて『あれ、まだまだ保ってるな』って。さらに無敵状態の大人っぽさで戻ってきたつもりなので、1日1日ピークを更新している状態」と、可愛さに絶対の自信がある道重は復帰の理由を明かす。公演開催に至るまでの経緯に関しては「ふと一番やりたいことを考えた時に、歌とダンスがしたいというのがあって。そこから、相談を重ねていって今回の公演に」と振り返った。

 番組MCであり、道重と同じ事務所の先輩でもある森高千里は、彼女の公演を観た感想として「モーニング娘。がやっていたライブとは全然違う。マジックみたいなものもあるし、演技をするところもある。歌って踊ってだけではない、いろいろ覚えていないといけない」とコメントした。実際に道重のステージに注目すると、自身のソロ曲を披露しながら、後方のスクリーン映像とリンクしたダンスや、自身の身体へのプロジェクションマッピングなど、新たなパフォーマンスにもチャレンジしているのが分かる。終わりに彼女は、「ステージに立ってさらに歌とダンスが好きになったし、私はステージに立ち続けて、道重さゆみというものを表現していきたいと思います」と、コメントしているが、ここで道重は“アイドル”とも“シンガー”とも公言せず、“道重さゆみ”として活動を再開することに気づく。VTRのナレーション、公演ホームページにも定義づけの言葉はない。

 AKB48グループの場合、グループに所属しながらソロデビューを果たし、卒業後もシンガーとして活動を続けるケースが多い。前田敦子は、グループ所属時に2枚のシングルをリリースしており、2012年の卒業から2年後の2014年、4thシングル『セブンスコード』を発売。昨年の6月、一区切りとも言える1stアルバム『Selfish』をリリースしている。彼女の女優としての躍進を考えると、シンガーとしてのキャリアは一旦休止中ともとれる。同じ卒業生の中で、現在シンガーとして精力的に活動しているのが、板野友美。今月17日には、9thシングル『#いいね!』を発売し、リリースイベントも予定している。昨年、グループを卒業した高橋みなみは、7月より全国を巡るライブハウスツアーを開催。彼女にとって、全国のファンに会いに行くことができるツアーは念願であったという。

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