レキシは音楽の“遊び場”を提供しているーー『関ジャム』いとうせいこう、西寺郷太らが考察

 5月14日放送の『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)はレキシをゲストに迎え、レキシとデビュー時から共演するいとうせいこう、過去にレキシが所属していたバンド・SUPER BUTTER DOG時代から交流のある西寺郷太(NONA REEVES)とともにその魅力を紐解いた。レキシは池田貴史によるソロ・プロジェクトで、過去に関ジャニ∞に「侍唄」を楽曲提供したほか、椎名林檎や上原ひろみなど名だたるアーティストたちともコラボレーションしている。今回の放送は、彼が多くのアーティストから愛される理由や、彼の音楽性に迫るものとなった。

 この日もレキシはおなじみのサングラスに袴姿で登場。まずシンガーソングライター・斉藤和義が、武士や日本史を描いた歌詞やレキシ自身の見た目とはギャップのあるポップなメロディを「名曲の無駄遣い」と評した。西寺はレキシの音楽を「全ての時代のベスト盤!!」とコメントし、ジャズ、ラップ、ロック、ファンク……とあらゆるジャンルを網羅したメロディであることを明かした。

 さらに番組中、レキシの音楽性について西寺は「ファンクとかロックのバランスがすごく池ちゃんは良いと思ってて。黒人音楽的なファンキーなものだけじゃなくて、日本人の感覚の歌謡感みたいなものをきっちり入れてて」と絶妙なバランス感覚を評価。いとうは「音楽界の正統派」とコメントし、ファンク音楽のEarth,Wind & Fire→P-Funk→米米CLUB→SUPER BUTTER DOG→レキシ、コメディ音楽の川上音二郎→榎本健一→ハナ肇とクレージーキャッツ→ザ・ドリフターズ→レキシ、と繋がっていると語った。これには支配人・古田新太も「(これらを)ものすごくわかりやすくやっちゃったのがレキシ」と納得の表情に。

 SUPER BUTTER DOG時代、ライブのアンコールで池田が歴史をテーマにした楽曲を披露し、大ウケしたのが始まりだったというレキシ。バンド解散後、いとうが「それ(レキシ)やればいいじゃん!」と言ったことで本格的にスタートしたそうだ。番組では過去にレキシとコラボした秦 基博や上原ひろみがレキシのベストソングを発表。松たか子は野外イベントで初めて聴いたという「大奥~ラビリンス~ feat.シャカッチ」をベストソングに挙げ、「音楽、楽しいね!」をみんなで共有でき、「メロディーと歌詞が合ってるから(良い)」と絶賛した。いとうは歌詞について「他のポップスでは絶対に聴けない日本語が聴こえる。そうすると新鮮だし、手垢がついてない何かを感じる」とコメント。たしかに<世襲制>(KATOKU)<年貢>(年貢for you feat.旗本ひろし、足軽先生)など、日本史にまつわる歌詞は他の楽曲では決して聴けないものだ。その“新鮮さ”こそが多くの人々に支持されているのだろう。

 大物アーティストたちがレキシとコラボしたくなる理由について、いとうはこう話した。「結局、大物であればあるほど『遊び』ってしにくくなるでしょ」「だけど本当は楽しくやりたい。だからレキシという名前を借りて遊べることが嬉しいのよ」。さらにいとうはレキシが「ここではみんなが遊んでいい」という“遊び場”を提供している、とも語った。レキシが生み出す“遊び場”は、観客はもちろん大物アーティストにとって重要な場所の一つになっていることを感じた言葉だった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる